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乳房と乳頭の発生異常と形態の異常(Developmental and Morphological Disturbances)


牛:



成牛の乳房には種々の形態の異常が見られる。


前乳房が後乳房より小さく泌乳量も少ない階段型乳房stepped udder、乳房が著しく大きくて下垂した下垂型乳房pendulous udder、その基底部がくびれた錘り型乳房bullet udder、また乳頭は著しく大きいが乳腺の発達が悪い山羊型乳房goat udderなどがあり、これらは遺伝的なものと考えられています。


いずれも器械搾乳に適しない。


乳頭には発生異常が少なくない。乳頭が5個以上ある過剰乳頭hypertheliaにはしばしば遭遇しますが、これも多くは遺伝性のものです。


それらには、腺組織のない単純な節穴状の皮膚の付属物から、他の文房とは別個の腺組織と連っていて、その分泌物の出口として一応の乳頭構造を備えたものまで、種々の発達段階のものがある。


これらはふつう副乳頭accessory teatsと呼ばれており、後乳房より後方に存在するものが大多数ですが、稀れには前乳房と後乳房の間に位置することがある。


また稀れに6分房6乳頭の乳頭があって、外見上いずれが過剰か区別できないことがあります。


また乳頭が互いに接近しあるいは離隔している位置の異常、長短種々の長さの異常、また先端の形状や乳頭管の大きさ、長さ、形の異常などがあり、これらの大多数は器械搾乳に障害となります。

馬:



乳房または乳頭の形態の異常についてはあまり知られてはいませんが、乳腺組織の形成不全はめずらしくないといわれています。

羊:



過剰乳頭が非常に多い。


乳頭口または乳管洞の狭窄ないし閉塞、乳管洞内壁の組織増生物などの異常も多いが、これらは遺伝性のほか子羊の強い吸乳動作によって外傷性に発生するものが少なくない。

山羊:



過剰乳頭、単一乳頭、乳頭の種々の形態異常、乳頭管の欠如、乳腺の形成不全ないし無形成などが、牛におけると同様に発生します。遺伝的要素が強い。

豚:



乳頭は6対ないし7対がのぞましい数とされていますが、これには変異が多い。乳頭が噴火口状に陥凹していて、子豚の吸乳によって周囲の皮膚が腫脹する結果、乳頭が埋没する例がありますが、これも遺伝性と考えられています。

犬、猫:



無乳房症amastiaあるいは多乳房症polymastiaなど、乳房および乳頭の数の異常がめずらしくない。小型犬種には過形成がみられます。


分岐した、または盲嚢になった乳管洞、乳頭管に皮脂腺が開口している例、乳頭管に毛が生えている例なども報告されています。

キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)