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前立腺の疾患・前立腺の萎縮


前立腺の疾患(Diseases of the Prostate)



前立腺の疾患は犬でときどき見られますが、馬ではまれであり、また、牛、羊、豚ではほとんど報告されていません。牛、羊、豚の前立腺はむしろ痕跡的な組織で、馬ではわずかに発育しているが、機能は限定されたものです。


犬の前立腺はよく発達しており、左右の二葉にわかれ、膀胱から少し離れて尿道の基部を完全に包囲する球形の前立腺体corpus prostataeと、さらに尿道を包囲しつつ、陰茎根に向かって伸びている薄い伝播部pars disseminataとからなり、尿道は前立腺の横断面のほぼ中心に存在する。


前立腺は精巣ホルモンの影響を受けて、性成熟期になると、実質は急速に肥大し、老齢となるとともに萎縮していく。多数の小葉群に分かれ、それぞれは管状複合腺からなります。


一般に人では、精液特有の臭気はここから出されるアミン類にもとづくとされますが、家畜では、その臭気もあまり強くなく、その作用も明らかではない。


前立腺の位置は、膀胱の内容の多少によって異なり、膀胱が空虚で収縮しているときは骨盤腔内にあり、尿が充満して拡張している時には、恥骨前縁に位置するか、またはわずかに骨盤腔内にはいっている。


小型犬では、通常直腸から触診することは容易ですが、大型犬では前軀を高くし、片手で膀胱をつかんで後方に押すことによって直腸からの触診が可能です。

前立腺の萎縮(atrophy of the prostate)



老年性の変化または去勢の結果として発生する。


原因:


老年性の萎縮senile atrophyは睾丸のアンドロジェン分泌の減衰によるものと考えられます。去勢後は約3ヶ月で萎縮が完了する。


病理:


前立腺は縮小し、硬く、正常の1/2~1/4の大きさになる。組織学的には腺腔がほとんど消失し間質の線維は増加し平滑筋は減少している。


症状:


別に臨床症状は現れない。


老犬では両側睾丸に腫瘍が発生し、これが睾丸実質を破壊して前立腺に去勢と同様の影響を与えることがあります。


治療法:


特別の治療は行わない。


テストステロン・プロピオネートを投与すると萎縮前とほぼ同様の腺の形態が回復する。