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末梢神経の疾患について


末梢神経の疾患(Diseases of the Peripheral Nerves)



末梢神経性疾患はたとえばセタリア症にもとづく馬の腰麻痺、予防接種などに継発するアレルギー性神経変性、あるいはビタミンB₁欠乏にもとづく神経炎など、多くの内科的疾患が知られていますが、外科的末梢神経疾患は、比較的単純なもののみが臨床の対象とされています。


神経細胞は肝臓や表皮、結膜、骨髄などにくらべて再生能力が小さいことも、治療効果の期待できない原因の一つです。


一般に中枢神経の損傷では、成長した動物にあっては神経細胞は増殖能力がほとんどないため、細胞の再生は期待できない。


しかし、幼い動物でまだ未分化の神経芽細胞の存在する場合、ニューロンが延長する場合、傷害部付近に存在する健全な細胞から新しく軸索が延長する場合は、軸索の再生がおこり、機能が回復します。


末梢神経にあっては、その再生は中枢よりも容易であって、大体三段階に分かれて再生する。


すなわち、神経線維が切断されると、まず末梢側の全部と中枢側の一部に変性がおこる。これは軸索の変性と崩壊および髄質myelinの変性が主であって、ウォーラー変性wallerian degenerationという。


つぎに大食細胞macrophageおよびシュワン細胞Schwann’s cellが、これらの変性産物をその食作用によって清掃する。


ついでシュワン細胞が両端から結合し、鞘を形成しはじめると軸索は新しい蛋白合成を行いながら、次第にその中を延長して線維の結合が完成する。


この延長の速度は1日3~4mmといわれる。


この際、もしこの連合を妨げる結合織が中間に存在したり、何らかの条件で正常の再結合が妨げられた場合には、しばしば神経断端腫amputation neuromaが見られます。


神経線維の再生は、一般にいわれるように電気的刺激や運動、放射線などによって促進されることはないし、年齢や損傷部位の血管分布の多少などによっても影響を受けることは少ない。


したがって、その再生を効果的に促進する治療法はありません。

キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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