ダイアジノン Diazinon
スイスのGeigy会社がパラチオンの毒性を減じ、しかも効力のある有機燐剤として1952年に発表したもので特徴は蒸気圧が強く、その毒性はパラチオンの1/10程度です。
ダイアジノンの性状
有効成分はThiophosphoric acid-[2-isopropyl-4methyl-pyrimidyl-(6)-]diethyl ester(C₁₁H₁₈N₂O₃PS)で、その構造式は下記の通りです。

ダイアジノンの構造式
純品は無色の液体ですが、工業製品(95%)は黄褐色を帯びた透明な液体で、弱いエステル臭があります。
沸点83~84℃、水に難溶で40ppm、アルカリ、酸には安定で、一般の有機溶剤にはよく溶けます。
水、弱酸には徐々に加水分解する。
ダイアジノン剤の種類
(a)ダイアジノン乳剤
有効成分を17%含み500~1000倍液を用います。
(b)ダイアジノン水和剤
有効成分17%を含み、使用濃度は500~1000倍です。
(c)ダイアジノン粉剤
有効成分を1%と2%を含む2種があり、そのまま反当り3~5kg撒布します。
殺虫力と毒性
本剤の効果は接触作用が主ですが、同時に消化、呼吸作用もあり、また浸透作用もあつて、効力の持続は10~14日位といわれています。
パラチオン剤に比べると殺虫力は略々等しいが浸透性や残効性はやや少ない。
人畜に対する毒性は少なく、マウス経口LD₅₀48mg/kg、経皮中毒ではモルモットで200~300mgです。