DDT・BHC ~ 中毒例

ビーブラスト・テキスト


a)馬 5才 牝



午前7時頃外寄生虫の駆除に松毛虫駆除用3%粉剤(強力)を厩舎内に撒布し、また、皮膚にも相当量を撒布する。


約3時間後、突然滾転する。


症状は既に横臥し、一見神経系統を侵し痙攣が見られ、交感神経系の刺戟に鋭敏のようです。食欲の減退、脈搏の細数、全身麻痺を来し、全く起立しません。


体温は39℃で皮膚温高く、全身に発汗を生じ、呼吸66を算し、胃腸の蠕動音は変りなく、ラッセル音が聴取されます。

b)馬 γ-BHC



粉剤撒布後の厩舎へ馬を入れ5頭の牛馬の中毒と1頭の馬の斃死を見た。


馬は神経症状が甚しく苦悶、痙攣の後間もなく死んだ。

c)和牛 10才



昭和27年3月31日、γ-BHC粉剤を誤って約200g位舐食し、以後食欲なく、高度の下痢あり、呼気にBHCの臭気あり、次で全身衰弱、腰麻痺の徴を示し、起立困難があります。


然し体温、脈搏に著変がない。治療の効なく発症後約8日目に斃死。

d)乳牛



昭和29年7月、水田に3%γ-BHCを撒布し、その飛沫が畦草にかかったものを撒布、翌日から8日後までに刈取って給与した。


一般症状は上記に類しますが、乳量の減退、淡黄緑色を呈し豆腐粕様に凝固します。


この変化は比較的多量を摂ると1~4日で現れ、20日間位続きます。

e)和牛 2才



DDT剤を撒布したタバコ畑周辺の野草を食べた和牛が8~9時間を経て発症斃死しました。

キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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