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膀胱炎(cystitis) ~ 原因・症状・治療法


膀胱炎の原因



膀胱の炎症は細菌感染によっておこるものがもっとも多い。


感染の大部分は膀胱におこるが、腎から下行性にくるものと尿道から上行性に広がってくるものがある。膀胱の損傷または尿のうっ滞がある場合に感染がおこりやすい。


すなわち、結石、カテーテル導入時、妊娠末期、難産時に発現することが多い。起炎菌として、牛ではCorynebacterium renale, Escherichia coli, 犬ではProteus, Pseudomonas, E.coliなどが、猫ではE.coli, proteus, Pseudomonas, ブドウ球菌、レンサ球菌がみられる。


地方病性に発生する血尿症は、真の膀胱炎でなく、膀胱粘膜に慢性増殖性の変状が生じたものであるとされます。馬でスーダングラスの生えた牧場で後軀の麻痺を生じたものに原発性の膀胱炎の発生が報告されています。


症状:


膀胱炎には尿道炎を併発することが普通で、これで尿意頻数および排尿時の疼痛を引きおこす。時に呻吟し、長い時間排尿姿勢を取りつづけることが多い。


しかし、排尿量は一般に少ない。


急性症では、特に発熱、嘔吐、下痢、食欲不振、不安の症状を示し、直腸検査などの触診時に膀胱はしばしば敏感となっている。また尿中に血液、膿、粘膜剥離片などがみられることがあり、尿臭も強い。


慢性症では同様な症状がみられるが、一般にその程度が軽く、排尿時の疼痛や排尿困難はない。しかし、肉眼的な尿の異常は認め難く、尿量は少なく、膀胱壁の肥厚がみられる。


診断:


病歴、臨床症状に注意し、大動物では直腸検査、内視鏡検査を行うか、小動物ではX線検査を活用し、鑑別診断に資する。さらに尿検査による蛋白尿、血尿、膿尿は診断をさらに進める効果がある。


腎盂腎炎、尿石症などとの鑑別に注意する。

治療法



まず一般的全身療法として、安静にし、刺激性の環境諸因子を無くしてやる。次いで薬物療法として、尿中細菌の培養同定と感受性テストを実施する。


完全な治癒のためには欠かすことができない処置ですが、種々な理由で実施できない場合は、なるべく広域性の抗生物質を使用するべきです。


すなわち、クロラムフェニコール、ゲンタマイシン、スルファジメトキシン、アンピシリン、ストレプトマイシン、ニトロフラントイン、ネオマイシンなどは比較的有効な薬剤として大動物、小動物に使用されています。


以上の投薬に際しては、小動物で急性期に少なくとも2週間、慢性症の場合は少なくとも3~5週間連続投薬することが必要とされます。


さらに尿量を増加させるよう大量の水分を投与するとか、尿を酸性化する薬剤を投与して抗菌剤の効果を高めることも必要と考えられます。


時に収斂剤による膀胱洗浄を行う人もある。

キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)