
コウライキジ
此の雉は日本雉より美しいという人があるかも知れません。
大陸コルチカス系の雉で、台湾雉、蒙古雉、支那雉、コーカサス雉、ゴビ雉など色々あります。アメリカの猟鳥として広く分布しているものは蒙古雉と此の高麗雉の雑種だと言われています。
高麗雉は日本雉との雑種が出来ることを好まず、日本では日本雉のいない北海道に放たれ、数が増えつつあります。
雄は頸に幅広い白輪がありますが、胸の前方では切れております。
頭頂はオリーブ褐色で、白輪から上は藍緑色ですが、下は、黄、赤紫、腰は灰緑色、全身美しい黄橙色に輝いています。尾には黒い節があり、中央はオリーブがかった黄色ですが、両端には紫紅色の光沢があります。
全体として日本雉より大きく立派です。
雌も日本雉の雌に似ていますが、黒褐色とバフ色の縞が全身を覆っていますが、此の雌の方が白っぽくて明るいです。
我が国には徳川時代に朝鮮から輸入されており、地震には鋭敏で、其の際は羽音と共に大声で鳴きますが、地震を予知するという話に信はおけません。
羽冠はありませんが毛耳があり立派です。
日本雉とか此の高麗雉はファシヤナス屬に屬するわけですが、ヤマドリ、ミカド雉などのシルマチクス屬とは雛、成鳥ともに両者で相異していますが、ファシヤナス屬にも2群に分けられる可きで、大陸と台湾のものと、日本にいるものとの間に著しい相異があります。
前者は頸に白輪があるとか、色彩も黄、銅赤色が強いのに対し、後者の日本のものは緑色が強く頸に白輪がありません。
此の前者をコルチカスと称し、後者はバーシーカラーと称します。
高麗雉の飼育繁殖はやはり金鶏、日本の雉と同様に極めて容易です。
4月の初めより産卵を始めます。
薄いオリーブ褐色の卵で目方と大きさは夫々28.6gと4.3cm x 3.3cmです。
卵の孵化日数は24日です。
生後約50日もすれば雄の着色羽が見えてきます。2ヶ月後には眼の周囲の赤色裸出部が目立ってきます。3ヶ月頃には毛耳もはっきり見え、頸の白輪が明瞭に見えるのは4ヶ月位です。
秋10月初めにはほぼ成鳥と同じ外観になります。
成鳥雄は、6月初めに換羽を始め、まず、頸の白輪が脱落してなくなります。
尾羽が次に脱落して、7月終わり頃には1時尾がなくなります。
高麗雉の飼育者は減少してきている様です。