腐蝕性アルカリ類 ~ 性状・原因・症状・剖見・療法


腐蝕性アルカリ類・性状



苛性アルカリ類で家畜中毒に関係のあるものは生石灰CaO₃、アンモニアNH₃、水酸カリウムKOH等で、これに次ぐものは炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムです。

原因



水酸化カルシウム、水酸化カリウムの中毒は畜舎消毒の際に生じアンモニア中毒は稀に内用によつて来ることがあります。


試験的には犬に対し2gのアンモニアを与え24時間で斃れ、馬に30gを与え16時間、また、90gでは50分で斃れたという。

症状



内用による場合は局所変状が劇烈で口唇、口腔および咽頭粘膜の炎症、糜爛、潰瘍を招き、各部の腫脹、結痂を生じ流涎甚しく、嚥下困難をみる。


胃腸粘膜においても重症の腐蝕性胃腸炎で広汎性の出血炎症を認め多量の場合は痙攣を起します。苛性石灰および苛性カリの中毒死は一般に昏睡を伴いますがアンモニア中毒では強直性痙攣です。


またアンモニアの場合は同時にガスの吸入によつて急性肺炎を起しクループ性炎症産物の喀出、強い咳嗽、呼吸困難を示し重症では肺気腫を見、稀に喉頭狭窄を来す。

剖見



クループ性口腔炎および胃腸粘膜の高度な炎症で褐色乃至黒赤色、煮肉状腫脹および潰瘍などがあり、アンモニアの際はクループ性喉頭炎、気管支炎および肺炎を示します。

療法



初期には稀酸特に常酢を用いてアルカリを中和させ、これに次いで潰爛した粘膜を包摂するため油剤および粘滑剤にモルヒネを伍用して与えます。


吐剤および下剤は胃腸の刺戟により疼痛を与え甚しいときは破裂を起すから禁忌です。


虚脱には興奮剤や強心剤を注射し喉頭狭窄で呼吸困難の甚しいときは気管切開術を施します。

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キジと水鳥 仲田幸男
キジと水鳥 仲田幸男 昭和46年12月20日 ASIN: B000JA2ICE 泰文館 (1971)
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