趾瘤症は、足底中足骨部や趾球部、あるいはその両方の腫脹、表皮剥脱および潰瘍を特徴とする慢性炎症です。
ほとんどは平飼いの鶏でみられます。
糞尿により湿った敷料床面で長時間飼育されると、濃度の増したアンモニアの影響や外傷、ストレスによって粘膜あるいは皮膚のバリヤーが障害され、鶏体、糞、あるいは環境内にいるブドウ球菌が結合織へ侵入・増殖し、潰瘍を伴った化膿性皮膚炎を起こします。
鶏の趾瘤症(しりゅうしょう)
焼いても治りません
足裏のコブをカッターナイフ等で削ぎ取り、大量に出血するので止血の為に半田ごてで焼いて止血する方を見たことがありますが、こんなことをしても治りません。(然も麻酔もせずに)
足裏に大火傷を負わして、結局、歩行困難となり処分された軍鶏を見たことがあります。
重症でなければ適切な抗菌剤の投与と、コブが化膿している場合は抗生物質入り軟膏を塗り自着生包帯で養生していれば1週間くらいで改善します。
まずは予防することが重要で、飼育環境や食餌内容を改善し(餌を減らせという意味ではありません)肥満にならないように管理する必要があります。
2019/4/15日追記:大和軍鶏の趾瘤症
我が家の鳥は(カモや軍鶏)毎日足や足裏のチェックをしているのですが、大和軍鶏の雄の両足の足指に小さなコブが出来ていて、少し化膿していたので抗生物質入り軟膏を塗って包帯を巻いて養生しておりましたが、表面上化膿は治りましたがコブが硬くなりコブ自体も大きくなっているようなのでオロナインH軟膏を試しています。
5cm幅のくっつく包帯を10cm程度半分にハサミで切ります。
流水で汚れた足を良く洗ってから軟膏を塗って足指に巻きます。コブが小さくなるまで根気よく手入れする必要があります。
コブが柔らかくなりましたので、マッサージをしながら様子をみてみます。
ゲンタシン軟膏を試しましたが、炎症や化膿の治りが早いです。
2019/10/02日追記:抗菌剤投与
長い間、軟膏を塗ったり、イソジン消毒薬を試したり、マッサージしたりと色々試してコブが柔らかくはなりますが中々改善がみられなく化膿して膿も出て痛みで歩行が困難な状況となりましたので、バイロシンを1/4錠、3日間投与しました。
薬が当たったようで、翌日には脚指と脚裏中心部の化膿と腫れが治まりだしましたので、あとは消毒薬と包帯での養生をもう暫く続ける必要があるようです。
痛みが引いたようで普通に走り回っています。
最近での私の趾瘤症(バンブルフット)治療方法
最近の趾瘤症(バンブルフット)治療は、海外の獣医さんの治療方法を行っています。
まず、40℃くらいの温湯に浸してエプソム塩でかさぶたを時間を掛けて丁寧に揉んで柔らかくします。次に、ラテックス手袋を着用して指の爪を使ってかさぶたを取り除きます。(痛みが伴うので無理して取らない)
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この時、表面のかさぶただけ取れることもあれば、固い芯のようなものと膿が出てくる場合もあります。
出来る限り取り除いたら、クロルヘキシジン0.5%(マキロン等です)で傷口を洗浄します。
その後、良く水分を拭き取って、ポリスポリン無ければヨード液(うがい薬はダメ)を塗布します。
患部に正方形のガーゼを置き、くっつく包帯(ヴェトラップ等)を巻いて足が清潔で乾燥したままになるようにします。
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このままでは汚泥等が浸みこんでしまいますので、くっつく包帯の上からダクトテープをハサミ等でサイズに合わせてカットして丁寧に巻きます。
ダクトテープを使用することで、患部が汚染されにくくなります。
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炎症が治まり、足が正常になるまで、週に2~3回繰り返します。
感染がひどい場合は、動き回らないように鳥をケージ隔離する必要があります。 骨または他の組織に拡がっている場合は、抗生物質を使用します。
●抗生物質
抗生物質は、創傷の培養(好気性および嫌気性の両方)および抗生物質感受性の結果に基づいて最適に選択されます。
最も一般的に使用される抗生物質には、セファロスポリン、フルオロキノロン、リンコマイシン、およびクリンダマイシンが含まれます。
骨髄炎が存在する場合は、多くの場合、エンロフロキサシン(バイトリル)とクロラムフェニコールが適しています。
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