小動物に用いられる中枢性体位反応
反応の名称
緊張性頸反射(tonic neck reflex)
検査の方法
頭部を上方に強く伸展すると前肢の伸筋群が緊張し、後肢の伸筋群が弛緩する。(正常の反射)
頭部を下方に強く屈曲すると後肢は強く伸長するが前肢の伸長は弱くなる。
頭部を一側に強くねじると同側の前肢の伸筋が緊張し、反対側は弛緩する。
異常の意味
C1~2~3が遠心性の刺激をつたえない時は反応がおこらない。
前頭葉(主として運動中枢および知覚中枢)に異常があれば、一側の場合は反対側に、両側性の場合は両側に異常が現れる。
前庭神経核の異常では同側性の異常が出る。
反応の名称
緊張性眼反射(tonic eye reflex)
検査の方法
頭部を上下にまげ、あるいは強く捻転すると、眼は大体において反対の方向をとろうとする。
異常の意味
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反応の名称
伸筋突伸(supporting reaction)
検査の方法
体を挙上して両後肢のみを静かに着地させると、体重を支持しようと伸筋群が緊張する。
異常の意味
大脳、前庭神経核部の支配です。大脳の異常では対側性、後者では同側性の異常がおこる。
脊髄の異常では異常部以下の脊髄性反射はおこっても、本反射がおこらないことがしばしば。
反応の名称
緊張性迷路反射(righting reaction)
検査の方法
両後肢で挙上して両前肢から着地するように降ろすと、動物は頭をもたげて正位に着地しようとする。
また動物を横臥させて正位に復元する状態を見る。
異常の意味
大脳(前頭葉)でも異常をおこすが、とくに前庭神経核部の異常では反応の異常が明らかになる。
反応の名称
姿勢性伸筋突伸(placing reaction)
検査の方法
後肢を着地させたまま、前軀を挙上し、静かに着地させると前肢はちょうど正しく身体を支持する位置で着地する。
もし眼をかくした場合、いったん接地するとすぐ正しい位置に肢をおいて接地する。
異常の意味
視覚または接触の刺激は、型のごとく視床より大脳皮質に至り、遠心性に逆行して筋に至るからこの経路のどこの障害でもおこる。
反応の名称
跳び直り反射(hopping reaction)
検査の方法
動物を一側の前肢のみで支持させて動かすと、この一肢で跳んで身体を支持する。
異常の意味
姿勢性伸筋突伸と同様