両性イオン性消毒薬・陰イオン性消毒薬


両性イオン性消毒薬(amphoteric disinfectants)



この系の消毒薬は四級アンモニウム系と類似した効果と有効性を持つ。


欠点としては、両性イオンの宿命として酸性が強くなってもアルカリ性が強くなっても効力が落ちる点です。したがって専ら中性付近でだけ用いられます。


長所としては皮膚・粘膜刺激性が殆どなく、また毒性の低い点が挙げられる。


人体用では化粧品に配合しており、畜産領域では防疫用消毒薬とか飲水消毒に用いています。

陰イオン性消毒薬(anionic disinfectants)



陰イオン性表面活性物質(脂肪酸Na塩の石鹸)の殺菌力は弱いが、もしその溶液に酸を添加してpHを2~3にすると強い殺菌力を示すので、酪農器具の消毒薬として用いられている。


実際に用いられる製剤はアルキル・アリル硫酸とリン酸との配合剤です。

殺菌力



ほとんどのグラム陽性・陰性菌をわずか20秒の接触で殺滅する。


他の消毒薬の効き難い耐性菌に対しても有効です。一部のウイルスにも有効ですが芽胞に対しては効果が期待できない。


殺菌の至適pHは1.9~2.2であり、pHが3を超すと急速に殺菌力が低下します。

消毒薬としての利用


この消毒薬の利点は①殺菌が速やかで、②抗菌スペクトルが広く、特に酪農で重要な耐熱菌に有効で、③ステンレスに腐食性がなく、④臭気がなく、⑤乳石を溶解する作用が強く、⑥製剤安定性に優れ、⑦洗浄力が強く、⑧水溶性が高いので消毒後の洗浄が容易で残留の可能性が低く、⑨ステンレスに対する濡れがよい(表面で玉にならない)。


本邦で酪農器具の消毒に汎用される消毒薬は次亜塩素酸ナトリウムですが、この物質は、①安定性が悪く、②消毒によって発生する塩酸にはステンレス腐食性があり、③濡れが悪く、④臭気があるなどの欠点がある。
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