ニューカッスル病ウイルスについて
ニューカッスル病ウイルスは伝染性が高く、多くの場合に重症となる家禽疾患です。
原因となるウイルスは通常、呼吸器疾患として現れますが、抑うつ、神経症状、下痢が主たる臨床症状となる場合があります。
ニューカッスル病は現在、アメリカやカナダ、一部の西欧諸国ではよくコントロールされていますが、アフリカ、アジア、南アメリカの一部の国々ではまだ存在します。
野生鳥類は発病せずにウイルスを運ぶ場合もあるため、突然発生はワクチン未接種の家禽ならどこでも起きる可能性があります。
突然発生の場合、家禽全体が2日~6日の間に感染するのが一般的です。
動物用ワクチンとは?
動物の感染症の予防のため、動物に注射または経口投与等により、生体に免疫をつくらせる免疫源のことです。
主成分は、ウイルス、細菌、マイコプラズマ、原虫、トキソイド(無毒化毒素)
●病原体に免疫がない場合 → 死亡
●ワクチンで免疫した場合 → 体内で抗体を生産 → 病気にかからない又は重症化しない
対象動物
●哺乳類(牛、馬、豚、犬、猫等)
●鳥類(ニワトリ等の家禽類)
●魚類(鮎、ブリ、カンパチ、真鯛、ヒラメ等)
ワクチンの種類
●生、不活化、遺伝子組み換え
●混合(生+生、生+不活化、不活化+不活化)
●多価(複数の株を含む)
ワクチンの主な構成成分
主剤…抗原(生、不)
保存剤…チメロサール等(不)
安定剤…乳糖、ポリソルベート80等(生、不)
不活化剤…ホルマリン、β-プロピオラクトン等(不)
アジュバント…水酸化アルミニウム、オイルアジュバント(生、不)
溶解用液…生食、リン酸緩衝食塩液(生)等
ワクチンの保存形態
●凍結乾燥…生ワクチン
●凍結…マレック病、ILT、MG生ワクチン
●液状…不活化ワクチン、鶏痘生、ND生
ワクチンの貯法
●10℃以下…凍結乾燥製剤(主に生ワクチン)
●2~10℃…液状製剤(主に不活化ワクチン)
ニワトリ用ワクチンの投与方法
●注射(皮下、筋肉内)
生ワクチン:マレック病
不活化ワクチン:多数
●穿刺
鶏痘
●点眼・点鼻
生ワクチン:ニューカッスル病、IB
不活化ワクチン:大腸菌症
●噴霧
ニューカッスル病、IB
●散霧
ニューカッスル病、IB
●飲み水
ND、IB、ガンボロ病
●経口(同居)
ガンボロ病、鶏脳脊髄炎
●混餌
コクシジウム
●卵内
マレック病、マレック病+鶏痘
愛玩飼育の鶏が原因で近隣の養鶏場の鶏に感染させ、莫大な損害賠償を請求されたという事例もありますので、自分の身を守るためにも是非接種しておきましょう。ワクチンは価格も安いですし、飲み水や点眼・点鼻で接種できます。目や鼻腔に1滴、または飲み水に混ぜて投与するだけです。
ワクチンの入手ですが、獣医師の処方箋と指示書が必要です。詳しくは家畜保健所で教えてくれます。