
日本ウズラ
野生ウズラは本州、北海道、樺太、南千島、朝鮮、支那、伊豆七島、四国、九州、奄美大島、琉球、台湾、インドシナ北部、タイ、ビルマ、アッサム等に産するものですが、平地の草原、稲田、葦原などにいます。
夏は北方におり、冬になると南方へ渡って来ます。平地から海抜1,000m位迄の山にいます。日本人は此のウズラを家禽化することに成功し、生後僅か45日で産卵する品種となりました。
26時間に1個の卵を産み、此の卵用と肉用の両種の目的の為、商業的に沢山飼われ又、卵は輸出もされています。
ウズラは羽色が褐色で地味ですが、昔は其の鳴き声が殿様が三軍を叱咤する如く高声である為に、殿様の間で鳴き合わせ会が催されました。
ウズラは1年に270個くらいの卵を採る事が出来ますが、此の様に育てますとウズラは疲れて以後産卵率は低下して来ますので、商業目的のものは1年で淘汰してしまっております。
飼育繁殖方法は、前述しましたアメリカウズラの飼育と全く同じです。
雄1羽に雌2羽を配するのが宜しい。アメリカウズラの様に金網床を必要とせず、砂地、またはコンクリート床で宜しいのですが、金網床にすれば清潔になります。
毎日産卵し、卵は黒褐色の斑点があります。16日から17日で孵化しますから、アメリカウズラの卵の24日と大分相異があります。チャボに抱卵させれば、20個位を一気に抱卵しますが、量産したい場合は孵卵器を使用することをおすすめします。
卵の重量は平均12g、大きさは3.5 x 2.5cmです。雌雄の判別は成鳥の場合は容易です。
即ち雄はアゴと喉の部分が褐色で其の中にたてに黒い条があり、雌の方は此の部分がバフ色になっております。また、雄の胸の色は濃褐色ですが、雌の方は色が浅く、且つ黒い斑点があります。
生後間もない雛の場合は雌雄の判別は難しく、養鶉業者は肛門鑑別法によるのですが、鶏より体が小さく雄の生殖突起を発見することが困難です。
飼料は養鶉専用の餌が市販されておりますから、此れによれば宜しいが入手できない人は養鶏の中雛用マッシュに魚粉を10%加えるとか、幼雛用マッシュを与えれば結構です。
雛を育てる方法はアメリカウズラの場合に全く同様です。