PR

角膜の疾患(Diseases of the Cornea) ~ 角膜損傷・角膜炎・パンヌス・乾性角膜炎

角膜の疾患(Diseases of the Cornea) ~ 角膜損傷・角膜炎・パンヌス・乾性角膜炎 眼の疾患

 
 

角膜損傷(corneal, trauma corneae)

 
 
外来の機械的原因による穿孔性または非穿孔性の外傷、熱傷および腐蝕などがあります。
 
 
症状:程度の軽いものは表層角膜炎をおこす。角膜破裂ruptura corneaeとなり、全層にわたって破裂したものは、裂孔より眼内容、特に眼房水、虹彩、水晶体、ときには硝子体液の脱出をきたす。
 
 
多くは前房に出血が認められ、裂孔が閉鎖しなければ前房は消失する。水晶体は転位しない場合でも後には混濁し、水晶体嚢が損傷される時は、ことに幼動物では、水晶体がまったく吸収されることがある。
 
 
角膜周縁に近い部位の損傷は、しばしば毛様体を傷つけ、虹彩と毛様体の脱出をきたし、たとえ整復後治癒しても、水晶体後面に線維性の組織が形成されて視力を失うに至ることがある。
 
 
治療法:裂創の場合は脱出物の処理後、創縁の整理、角膜の縫合をなし、感染防止の処置をほどこす。熱傷の場合は多量の冷清水で洗滌し、結膜嚢内に抗生物質軟膏を点眼する。
 
 
薬品による腐蝕の場合もすみやかに多量の水で洗滌し、軟膏点眼などを行う。いずれも化膿防止の処置としては、ペニシリン、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、サルファ剤などを用いる。
 
 

角膜炎(keratitis)

 
 
角膜に炎症があると、まずその透明性が失われ、毛様充血、角膜表面の血管新生、前眼房内に滲出物の沈殿および角膜の潰瘍などの1つもしくはいくつかが見られるのが特徴です。角膜炎の分類も病因、部位、病理組織学的変状、症状などにより、はなはだまちまちで一定し難い。
 
 
表層性角膜炎(superficial keratitis):主として角膜表層に病変が存在する。角膜上皮は組織学的に結膜の延長であるため、各種の結膜炎から誘発されることが多い。
 
 
Magraneは、さらにびまん性表層性角膜炎、表層性点状角膜炎、角膜ヘルペス、角膜上皮剥離、パンヌスなどに分けている。軽い物理的、科学的損傷から発するが、ジステンパーなどのウイルスあるいはカビなどから発することもある。
 
 
表層性点状角膜炎keratitis superficialis punctataは外界の風塵の刺激あるいは特殊なウイルスが原因とされ、角膜の上皮あるいは上皮下に白濁をきたすもので、突発的に局所、特に角膜中央部に見られることが多い。
 
 
黄降汞軟膏などを用いて、それ以上進行しないように努めることが肝要です。
 
 

パンヌス(pannus)

 
 
角膜表層(上皮細胞下織まで)に炎症があり、球結膜から血管新生があるものをパンヌスという。直接の原因は明らかではありませんが、外傷性パンヌス、回復性パンヌス、肥厚性パンヌスなどと分類されています。
 
 
特に環境の影響はないといわれる。
 
 
処置は原因、程度により一様ではないが、患部を除去して、ステロイド療法を続けるのが良いとされる。さらに患部に対して場合によっては、角膜移植、X線照射、石炭酸腐蝕、角膜切除などが実施される。
 
 

乾性角膜炎(keratitis sicca)

 
 
涙腺の涙液分泌がなく、角膜全面の被覆膜の形成がない状態で、原因として、慢性のジステンパーのような全身性疾患、頸部の外傷の結果分泌腺の障害を生じたもの、慢性の眼瞼炎および結膜炎の場合、老齢の場合、先天的な異常(ヨークシャーテリア、チワワなどにおける)、ビタミンA欠乏ないし栄養的な欠陥のある場合などが挙げられる。
 
 
症状は涙液分泌の不十分のために、疼痛、眼瞼痙攣、羞明が一眼または両眼にみられる。角膜前面のギラギラした輝きが失われてくる。結膜は潮紅、肥厚し、粗糙感を呈し、粘稠な糸状分泌液が固着する。
 
 
化膿性結膜炎と見誤られがちです。
 
 
鼻鏡の乾燥も見られ、涙管開口部に涙液をみとめない。シルマー試験(Schirmer tear test)で涙液の分泌の状態をみることによって確認できる。
 
 
治療法は0.5~1.0%のメチルセルローズを人工涙液として使用し、さらに必要に応じて抗生物質、肝油またはビタミンAなどを混合使用する。
 
 
軽症の時はピロカルピンの点眼も有効です。外科的な処置としては、耳下腺管を結膜嚢内に導いて涙液の代用をさせる方法が考えられている。

タイトルとURLをコピーしました