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眼の検査法(Ophthalmologic Examination) ~ 虹彩および瞳孔・水晶体・硝子体・網膜

眼の検査法(Ophthalmologic Examination) ~ 虹彩および瞳孔・水晶体・硝子体 眼の疾患

 
 

虹彩および瞳孔(iris and pupil)

 
 
まず自然光で、主として虹彩の表面の性状、色、位置および光線に対する瞳孔の反応などについて観察する。虹彩炎の際には虹彩の腫脹、充血があり、縮瞳し、瞳孔の反応が鈍くなる。
 
 
充血の色調は赤紫色で、瞳孔外縁部の充血の程度が著明で、それから周辺に行くにつれて弱まっている。房水の変化すなわち、房水の対流、混濁などは細隙燈顕微鏡で明瞭にみられるもので、この装置がなくては、虹彩炎の正確な診断はできないとされていますが、家畜への応用は今後の研究課題です。
 
 
さらに虹彩炎が重度となると前房は混濁し、虹彩の観察はまったく不可能となります。虹彩は時には、周囲組織と癒着をおこす。水晶体と虹彩の癒着を後方癒着synechia posteriorといい、虹彩毛様体炎、月盲症などに継発する。
 
 
虹彩と角膜の癒着は前方癒着synechia anteriorといい、角膜貫通創、潰瘍などに継発する。虹彩炎の原因は、特に不明のものが少なくないが、全身疾患ないし感染症の1分症として発生することもある。
 
 
瞳孔の対光反射の検査は通常、両眼を別々に調べる。約10秒間眼瞼を閉じた後、昼光下に開眼させて瞳孔の開閉の状態をみる。すなわち閉じたときは瞳孔は散大し、開眼すれば瞳孔の縮小をみる。
 
 
光に対する瞳孔の反応は家畜ごとに差があり、かならずしも人間と同様ではない。家畜においては光を受けた側の眼の瞳孔のみが常に収縮し、人間のように対側の眼も同時に収縮することは少ない。
 
 
馬においては、直射日光のような強力な光線下において初めて瞳孔の縮小をみるが、厩舎などの屋内ではつねに散瞳している。また犬においては対光反射は人におけるほどは敏感でない。
 
 
驚愕、空腹などの感情的な要因がより強く作用することが知られる。
 
 
一般に瞳孔散大は角膜の部分的混濁、硝子体脱位、眼球外傷に、片側性の瞳孔散大は動眼神経障害時にそれぞれ発する。また全身的には牛の植物中毒、犬の子癇痙攣、抱水クロラール・クロロホルム・エーテル麻酔などの際に見られる。
 
 
瞳孔縮小は急性角膜炎、角膜潰瘍、虹彩炎、副交感神経障害などの際にみられる。一般に瞳孔の形状は動物種によって異なり、馬においては幼齢のものは円形ですが、やや年を経ると横楕円形となり、虹彩顆粒が著明となる。牛、羊では収縮すると、横楕円形で細くなるが、猫は縦楕円形の細条となる。
 
 

水晶体(lens)

 
 
瞳孔の直後の中央部を観察することで、水晶体をよくみることができる。十分な検査には、まず瞳孔の散大が必要です。次いで、水晶体内の混濁、および水晶体前嚢の色素沈着を調べる。
 
 
老齢の犬では水晶体核の硬結がおこる。更に詳細をみる為には、60~90cmの距離で、暗室でペンライトを用いるか、検眼鏡でみて、眼底からの反射光によって水晶体の混濁をみる。
 
 

硝子体(vitreous body)

 
 
無傷の場合は硝子体は透明で、透過光線でも入射光線でも何物もみとめることはできない、通常検眼鏡か細隙燈顕微鏡を使う。頭や眼の運動につれて、ゆらゆら揺れてみえる場合は、硝子体の液化とみられる。
 
 
クモの巣状の糸が眼底(乳頭、タペタム)にぼんやりみえるのは混濁です。硝子体の炎症反応は一般に周辺からおこることが多い。
 
 

網膜(retina)

 
 
検眼鏡による網膜の検査は、眼の検査の最後の仕上げともいうべきものです。まず十分に虹彩を開帳して、検査しやすくする。直像検査法で、視神経乳頭と網膜をみる。
 
 
倒像検査法は全体を広くみるには都合が良い。まずタペタムをみ、動物ごとの特異性に注意し、形、色などの関連をみる。乳頭については、眼底の上部、さらに黒色タペタム、その中にある乳頭の様子をみる。
 
 
次いで網膜血管をみ、さらに網膜の出血の有無、剥離の有無などをみていく。

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