はじめてのニワトリ飼育:まず揃えたい5つの必需品
ニワトリを飼うことは、とてもやりがいのある楽しみのひとつです。
新鮮な卵を集めたり、群れがのんびりと餌をついばむ様子を眺めたりする時間には、どこか特別な魅力があります。
とはいえ、ニワトリ飼育を楽しむためには、最初に必要なものをきちんと揃えておくことが大切です。
良いスタートを切れるかどうかで、その後が順調に進むか、少し大変になるかが変わってきます。
新鮮な卵を楽しみにしている方も、自然をもっと身近に感じたい方も、ストレスなくニワトリを飼うために欠かせない「5つの必需品」をご紹介します。
押さえておきたいポイント
●外敵に襲われない安全な鶏小屋は、ニワトリが元気で快適に暮らすための大切なポイント。
●良質な飼料を選び、エサが散らかりにくく清潔に保てる給餌器を使いましょう。
●安心して使える給水器で、常にきれいで新鮮な水を与えることが大切です。
●快適で吸湿性に優れた敷材を使い、鶏小屋を清潔で健康的な環境に保ちましょう。
●最初は世話のしやすい、少なめの羽数から始めるのがおすすめです。
1.ニワトリが安心して過ごせる、快適な鶏小屋
飼育環境の中心となるのが鶏小屋です。ニワトリには、夜は止まり木で休み、卵を産み、悪天候をしのぐための、快適な鶏小屋が必要です。
また、ニワトリはキツネやタヌキ、アライグマ、野犬、ヘビ、などの外敵に狙われやすい生き物です。外敵に襲われて群れを失うほどつらいことはありません。
そのため、安全でしっかり守られた鶏小屋は欠かせません。
鶏小屋を選ぶ、または作る際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
●十分なスペース
鶏小屋内では1羽につき少なくとも1㎡を目安に。外に出さない場合は、より広めに確保しましょう。
●十分な換気
呼吸器の病気を防ぐためにも、風通しの良い環境を整えましょう。
●雨風や暑さ・寒さをしのげるつくり
とくに強風や大雨をしっかり防げること
●産卵用の巣箱
3~5羽につき1箱を目安に、鶏小屋の静かな場所に設置しましょう。
●眠るための止まり木
直径は少なくとも5cm、地面からの高さは1m以内に設置しましょう。
●外敵対策
犬のような力の強い動物に壊されない頑丈な素材を使い、ヘビなどの小さな外敵が入り込むすき間も作らないようにしましょう。また、夜間は必ず鶏小屋に鍵をかけることが大切です。
上手に飼うためのコツ
できれば水はけのよい高めの場所に鶏小屋を置き、暑い季節に熱がこもらないよう日陰をつくってあげましょう。
毎朝開けて夜に閉めるのが手間に感じる場合は、自動開閉式の鶏小屋ドアを取り入れるのもおすすめです。
※鶏小屋ドアとは、ニワトリが出入りするために鶏小屋に取り付ける小さな扉のことです。
ふつうは次のような役割があります。
朝:ドアを開けてニワトリを外に出す
夕方~夜:ドアを閉めて外敵(キツネ・犬・ヘビなど)から守る
最近は、人が開け閉めしなくてもよい 自動開閉式(オートドア) もあり、明るさセンサーやタイマーで朝に開き、夜に自動で閉まる仕組みになっています。
手入れしやすい鶏小屋にしておくと、あとで本当に楽になります。出入りしやすく、天井もある程度の高さを確保しておきましょう。
あとで羽数が増えても大丈夫なように、少し余裕のある鶏小屋にしておきましょう。ニワトリはいつの間にか増えていくものです。
2.栄養バランスの良い飼料と、使いやすい給餌器
バランスの良い食事は、ニワトリが元気に育ち、しっかり産卵するための基本です。
ニワトリにとって理想的な食餌は、次のとおりです。
●栄養バランスの整った高品質な産卵鶏用飼料
ニワトリが元気に育ち、栄養価の高い卵をたくさん産むために必要な栄養をしっかり補えます。
●残り物は全体の10%以内
台所の残り物が新鮮な卵に変わるのはうれしいものですが、残り物の割合が多すぎると産卵数が減り、健康トラブルの原因になります。与えるのは午後にし、ニワトリが20分以内に食べ切れる量までにしましょう。
加工食品は避け、果物や野菜を中心に与えてください。
●砕いたカキ殻(貝殻)を自由採食で補給
砕いたカキ殻は消化に欠かせず、産卵鶏に必要なカルシウムを補います。常に自由に食べられるように用意しておくと、ニワトリは必要な分だけ摂取します。
●地面にエサをまかない
地面に置いたエサや残り物は土やフンで汚れ、病気の原因になりやすくなります。清潔な容器を使い、エサを汚れから守れる給餌器を選びましょう。
上手に飼うためのヒント
好きなものだけ食べてしまうのを防ぐため、ペレットかクランブルの飼料(ペレットより小さい中間タイプ)がおすすめです。選り好みはエサの無駄や栄養バランスの乱れにつながります。
こぼれて無駄になるエサは本当に悩みの種です。
コストがかかるだけでなく、ネズミや害鳥も呼び寄せてしまいます。無駄を減らせる給餌器を使えば、エサをこぼれにくくし、ネズミ対策にもなり、いつも新鮮で乾いた状態を保てます。
鶏小屋の周りに給餌器をいくつか設置しておくと、順位の低いニワトリでも十分にエサを食べられます。
3.いつでもきれいな水を用意すること
ニワトリが健康に過ごすには、きれいで新鮮な水をいつでも飲めることがとても大切です。
たとえ数時間でも水が切れると、体調や産卵に影響が出ることがあります。
給水器は、次のポイントを満たすものを選びましょう。
●密閉型であること
水を清潔に保ち、汚染を防ぐために重要です。
●ニップル式またはカップ式の給水タイプ
水がこぼれにくく、鶏小屋を乾いた状態に保てます。汚れにくく衛生的で、病気の予防にもつながります。
ワンポイントアドバイス
給水器は毎日チェックし、こまめに洗って清潔に保ちましょう。
ニワトリは冷たい水を好むため、給水器は日陰に置きましょう。
4.ニワトリに合った敷材選び
適切な敷材は、鶏小屋を清潔で快適に保ちます。また、乾いた状態を維持することで、病気やにおいの発生も抑えます。
吸湿性が高く、部分的な掃除(汚れたところだけの掃除)がしやすい敷材を選びましょう。代表的なものには次のような種類があります。
●わら・干し草
最も一般的な敷材ですが、吸湿性はそれほど高くなく、部分的な掃除もしやすいとは言えません。
●木くず(かんなくず状の敷材)
動物用の粉じんの少ないタイプを選びましょう。ほかのものは、ニワトリの呼吸器を刺激することがあります。
●ヘンプ(麻)敷材
吸湿性が非常に高く、環境にもやさしい敷材です。
●砂
重く湿りやすい面もありますが、乾いた状態を保てれば掃除がとても簡単です。
ワンポイントアドバイス
止まり木の下にフン受け板(ドロッピングボード)を設置すると、夜のあいだにフンを集められます。毎日の掃除は必要ですが、鶏小屋全体をより清潔に保てます。
日頃から汚れたところだけをこまめに掃除しておくと、大がかりな掃除の回数を減らせます。
ディープリター方式は良さそうに思えますが、うまく管理するのはとても難しい方法です。敷材がしっかり堆肥化していない場合、不衛生になり、病気が広がる原因になります。
ディープリター方式とは、敷材(わら・木くずなど)を厚く敷き、フンを取り除かずに重ねていき、自然発酵(堆肥化)させる飼育方法
5.飼うニワトリの選び方

もちろん、ニワトリを飼うには肝心のニワトリがいなくては始まりません。
はじめてニワトリを選ぶ際は、以下の点をチェックしましょう。
●最初は少なめの羽数で
初心者には3~6羽くらいがおすすめです。卵も安定して取れ、群れとしての安心感もありつつ、無理なく世話ができます。
●性格がおだやかで丈夫な品種を選びましょう
商業用の採卵鶏は広く流通しており産卵数も多いです。赤玉の代表的な品種で非常に大人しく、高強度の卵を安定して生産するボリスブラウンなどがおすすめ。
●雌鶏
はじめて飼うなら、まずは雌鶏だけにして、必要に応じて後から雄鶏を迎えるのがおすすめです。雄鶏は管理にやや手間がかかる場合があります。
●雛の場合
ヒナから飼い始める場合はよく検討しましょう。成鳥よりもはるかに手がかかり、専門的な世話が必要です。
ワンポイントアドバイス
ヒナから飼い始めるかどうかはよく考えましょう。
成鳥よりもはるかに手間と世話が必要です。初産直前(産卵開始前後)の若鶏や成鶏は、価格は高めでもすぐに卵を産み始めるため、結果的に経済的な場合もあります。
雌鶏は、信頼できるブリーダーや孵化場から入手するのがおすすめです。病気やトラブルのリスクを抑えられます。
まとめ
ニワトリ飼いは、小さな楽しみがたくさん詰まったワクワクする体験です。おもしろいしぐさに癒されたり、巣箱で初めて温かい卵を見つけた瞬間は感動もの。
環境をしっかり整えれば、ストレスなく庭先養鶏の魅力を楽しめますよ。

