食卵は、たいてい何気なく始まります。ひびの入った卵をつついて、中身を味見してしまう、といったことがきっかけかもしれません。
しかし、放っておくと、あっという間に悪い習慣になり、他の鶏にも広まってしまいます。幸いなことに、鶏の食卵癖を改善するための実践的な方法があります。
食卵の最も一般的な理由は、栄養不足(カルシウムやタンパク質の不足など)と、退屈や好奇心からくる悪い習慣の2つです。
これらの原因に対処することで、貴重な卵を守り、鶏たちをより健康に保つことができます。
食卵癖のある鶏を飼っている場合、すぐにできる対処法は次のとおり
●卵が巣箱の中に長時間留まらないように、1日に複数回卵を採取する。
●巣箱にプラスチック製や粘土製の偽卵(ダミーエッグ)やゴルフボールを入れましょう。鶏はついばみますが、やがてついばむこと自体に興味を失ってしまいます。
●問題のある鶏を特定します(また、卵を食べているのは鶏であり、鶏小屋に侵入したネズミではないことを確認してください)
●ニワトリが卵をつつかないように、鶏用ロールアウト式の巣箱を設置します。
●カルシウムが豊富なカキ殻や、カルシウムサプリメントを飲料水に加えて与えてください。
食卵を解決するために、段階的に検討してみましょう。
鶏が食卵する理由
鶏が卵を食べるのは、卵においしいものが入っていることを知ってからです。
鶏は生まれつき好奇心旺盛です。巣箱の中で、喧嘩、あるいは天敵の襲撃などで卵が割れてしまうと、鶏はそれをついばみます。そして、それが美味しくて栄養価が高いと分かれば、食べます。
卵を食べるようになるのは、鶏が巣箱の中の卵が美味しいと学習したときです。たった1、2個の割れた卵があれば、鶏は卵を食べるようになるのです。そして、1羽の鶏が卵を食べるようになると、他の鶏もすぐにその悪い習慣を真似してしまうのです!
鶏の食卵を防ぐ
「予防は治療に勝る」という古い諺をご存知でしょう。これは特に食卵癖のある鶏に当てはまります。
鶏が一度食卵を好むようになると、その習慣を断つのは非常に困難です。そもそも卵を食べることが問題にならないように鶏小屋を整える方がはるかに効果的です。
では、鶏小屋で食卵が問題にならないようにするにはどうすればよいでしょうか?
●巣箱に卵を放置しない。
卵が割れる最も一般的な原因は、鶏が巣箱の中で卵を踏んでしまうことです。
定期的に卵を集めるか、ロールアウト式巣箱を使用することで、卵が放置されることを防ぎます。誤って割ってしまう卵がなければ、鶏は卵を食べることを覚えません。
●適切な数の巣箱を用意する。
鶏が巣箱をめぐって争うと卵が割れることが多いため、鶏群に十分な数の巣箱を用意してください (鶏3 〜 5羽につき1つの巣箱を推奨します)。
●抱卵中の雌鶏に対処する。
争い(喧嘩)のもう一つの原因は、巣箱を占領している抱卵中の雌鶏です。そのため、抱卵中の雌鶏には早めに対処し、鶏小屋から出して卵を抱かせます。
●鶏小屋を捕食動物から守る。
カラスなどの鳥類、ヘビ、ネズミは鶏の卵を食べます。
鶏を失うよりはましですが、捕食動物は鶏小屋や巣箱に卵の殻や割れた卵を残し、鶏に卵を食べさせる機会を与えてしまう可能性があります。
●餌を制限しないでください。
空腹の鶏は何でもついばみます。そのため、餌を制限すると、鶏が卵をおいしいごちそうであると認識する可能性が高くなります。
●退屈を防ぐ。
退屈した鶏は、何かをついばむこともあります。
鶏が退屈を紛らわせる機会や、自然な採餌行動を表現できる機会をたくさん与えれば、卵をついばんでうっかり割ってしまう可能性が低くなります。
●適切な食餌を与える。
鶏が卵を食べるようになるのは栄養不足が原因ですが、これは通常、偶然卵を割って中身を知った後に起こります。
卵を食べる原因となる最も一般的な栄養不足は、タンパク質、必須アミノ酸、カルシウムです。カルシウム不足は卵殻が脆くなり、割れやすくなります。
鶏が卵を食べないようにする方法
食卵がすでに習慣になっている場合は、複数の角度から取り組むことが最も効果的な解決策です。
次の方法を組み合わせます。
問題を特定する
1羽の雌鶏がつつき行動のほとんどを担っている場合は、群れをよく観察して、その行動を捕らえる。特定できたら、その雌鶏を一時的に隔離し、数日間、すぐに卵を取り除きます。
多くの場合、この行動を中断するだけで、つつき行動を止めるのに十分です。
他の鶏が悪い習慣を学んで食卵するようになるのを防ぐため、犯人鶏を他の鶏から隔離しておくことも重要です。鶏はお互いの真似をすることで確実に学習します。
食卵する鶏ばかりの群れは絶対に避けるべきです!
適切な方法を講じれば、たいていは食卵を改善するようにすることができます。まずは他の方法をしっかり試してみて、極端な手段を講じなくても問題を解決する可能性があります。
卵を頻繁に回収する
最も簡単な解決策の一つは、日中を通して卵を集めることです。そうすれば、鶏が卵に近づき、つつく機会を減らすことができます。
産卵が最も多い時間帯は早朝と午後の早い時間です。
一日中留守にしていて、定期的に卵を集めることができない場合は、ロールアウト式巣箱を用意して、産卵後に鶏が卵に近づけないようにしましょう。
巣作りの環境を改善する

不適切な巣作り場所に卵を放置すると、リスクが高まります。
卵と鶏を自動的に分離する鶏用ロールアウト式巣箱に切り替えましょう。これにより、卵が損傷することなく、清潔な状態を保つことができます。鶏用ロールアウト式巣箱はこちらでご覧いただけます。
従来の巣箱を好む場合は、十分なクッション材が詰められ、日陰があり、鶏が他の場所に産卵するのを防ぐのに適した巣箱をお選びください。
偽卵(ダミーエッグ)を使う
巣箱には、プラスチック製や粘土製の偽卵、木製の偽卵、あるいは清潔なゴルフボールなどを入れましょう。偽卵はオンラインや品揃え豊富な養鶏用品店で購入できます。ホームセンターでも取り扱っているところがあります。
鶏は偽卵をついばみますが、ご褒美がないので、やがて興味を失ってしまいます。
偽卵が破損したり汚れたりしている場合は、定期的に確認して交換してください。また、巣箱を掃除するたびに偽卵も掃除し、巣の衛生状態を保ってください。

カルシウムレベルを高める
食卵の一般的な原因はカルシウム不足です。
鶏は丈夫な卵殻を作るために十分なカルシウムを必要とします。そのため、餌が不足すると、必要量を補うために卵を食べ始めることがあります。さらに、カルシウム不足は卵の殻を薄くし、割れやすくなり、そもそも卵を食べる原因となります。
給水器に希釈したカルビタバード などの液体カルシウムやカキガラを自由に与えてください。これは産卵のピーク期には特に重要です。

食餌のタンパク質を増やす
タンパク質不足も食卵の原因となります。
産卵鶏は飼料中のタンパク質含有量が約16~18%必要です。飼料が不足していると思われる場合は、ミールワームなどのタンパク質を豊富に含むおやつを補給するか、飼料の量を調整してください。

練りカラシ(マスタード)入りの卵
これはインターネットでよく見かけるヒントの一つですが、賛否両論です。
効果を絶賛する人もいれば、鶏が練りカラシを好むようになった動画をシェアしている人もいます。ですから、自己責任で試してみてください。
もし試してみたら、ぜひ結果をお知らせください。あなたの経験が、他の家庭養鶏の助けになるかもしれません。
もし試してみたいという方のために、この方法は、食卵が早い段階で分かった場合に効果的です。
卵の中身を丁寧に吹き出して中身をくり抜き、殻の中に練りカラシなど鶏が嫌いなものを詰め込みます。ほとんどの鶏は一度つついて、もう意味がないと判断します。
穴をテープで塞ぎ、「カラシ入りの偽卵」を巣箱に入れて観察してみましょう。すこし運が良ければ、鶏はすぐに学習するでしょう!?
捕食動物や割れた卵に対処する
鶏は割れた卵を食べてしまうことがあります。
特にネズミなどの捕食動物が鶏小屋に侵入し、卵を損傷した場合です。鶏小屋に捕食動物の痕跡(糞やかじられた穴など)がないか確認し、開口部があればしっかりと塞ぎましょう。
鶏小屋のネズミ対策方法についてはこちらをご覧ください。

さらに、産卵時に卵が割れるのを防ぐため、巣箱に適切なクッション材が入っているか確認しましょう。藁や細断した紙などの柔らかい素材を使って卵を保護しましょう。
鶏を活発に活動させる
退屈は食卵行動の主な原因です。
鶏が閉じ込められ、何もすることがない場合は、卵をついばんだり、時には互いをつつき合ったりすることがあります。次のような環境などを改善してください。
●キャベツやレタス一玉をつつきやすいように吊るします。
●餌の穀物やミールワームなどのおやつを撒いて、採餌を促します。
●登ったり探索したりできるように、止まり木、丸太、またはおもちゃを運動場に追加します。
より豊かな環境は、ストレスを軽減するだけでなく、鶏をより健康的な行動に集中させることができます。
鶏が巣箱で卵を産むように促す
鶏が鶏小屋のあちこちに卵を産んでいる場合は、ちょっとした誘導が必要かもしれません。
巣箱は清潔で暗く、居心地の良い場所にしておきましょう。粘土製やプラスチック製などの人工卵を置くと、産卵場所を知らせるのに役立ちます。
産卵すべきでない場所は仕切り、さらに便利な鶏用ロールアウト式の巣箱の使用を検討しましょう。
適切な道具で卵食を防ぐ
改良された巣箱からカルシウムサプリメントまで、適切な道具が手元にあれば、食卵行動を管理する上で大きな違いが生まれます。
●鶏用ロールアウト式巣箱は卵を安全かつ清潔に保ちます。
●天然のカキガラと液体カルシウムは、より強い卵を育てるために必須の栄養素です。
●鶏に卵の殻を安全に与える方法を学ぶ。
これらの製品を揃えることで、時間、お金、ストレスを節約できると同時に、鶏が健康な状態を保つことができます。
鶏の卵食癖の問題を解決する
食卵癖のある鶏への対処は大変に感じるかもしれませんが、適切な対策を講じれば改善できます。巣作りの環境を改善し、飼料の栄養価を高め、退屈させないようにすることに重点を置いてください。


