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腹膜、大網および腸間膜の疾患 ~ 内ヘルニア(internal hernia)

腹膜、大網および腸間膜の疾患 ~ 内ヘルニア(internal hernia) 腹壁・臍・鼠径部・会陰・腹膜・大網および腸間膜の疾患

 
 

脂肪壊死(fat necrosis)

 
 
肥育牛に多発する。直腸・結腸の腸管壁に多く、肝臓、膵臓、大網膜にも発生します。それらの周囲に壊死した脂肪が沈着し、腫瘤状を呈する。
 
 
遺伝的素因、膵臓の出血や損傷による脂肪分解酵素ステアプシン(膵リパーゼ)の組織内浸潤、過肥にもとづく脂肪細胞増生による圧迫などが原因として考えられています。
 
 
初期は無症状ですが、腫瘤が増大し、腸管を圧迫し、狭窄がおこれば、その度合いにより腸内容の通過障害が現れる。しだいに削痩し、ついに起立不能に陥る。
 
 
腫瘤は自然消失することなく、経過は2ヶ月あるいはそれ以上におよぶ。多くは直腸検査で確診されます。薬物療法は無効ですが、V・A、D₃、Eや、はとむぎ製剤も用いられ、飢餓療法も行われています。
 
 

腹腔の腫瘍(neoplasms in the abdominal cavity)

 
 
腹腔内(肝臓、脾臓、膵臓、腎臓)の腫瘍には、次のようなものが報告されています。
 
 
反芻獣前胃:ポリープpolyp、肉腫sarcoma、軟骨腫chondroma、癌腫carcinoma.
 
 
牛の第四胃:腺腫adenoma、腺癌腫adenocarcinoma、癌腫carcinoma.
 
 
牛の腸:肉腫sarcoma
 
 
馬の胃腸:肉腫sarcoma、癌腫carcinoma、肉芽腫granuloma
 
 
犬の胃:癌腫carcinoma、脂肪腫lipoma、筋腫myoma.
 
 
犬の腸:骨肉腫osteosarcoma、腺癌腫adenocarcinoma、平滑筋肉腫leiomyoasrcoma、癌腫carcinoma.
 
 
腹膜および腹腔内:癌腫carcinoma、肉腫sarcoma、肉芽腫granuloma、リンパ肉腫lymphosarcoma、線維腫fibroma、筋腫myoma.
 
 
猫の腸:腺癌adenocarcinoma
 
 
牛の白血病:1953~1977年の間に取り扱った牛白血病150余例のうち、総合的観察を行った133例を形態学的に、細網肉腫(69例)、リンパ肉腫(47例)、および単球白血病(17例)の3型に分けている。
 
 
それらの病理解剖および組織学的検索によれば、個体差、病変による差はありますが、腹腔内においては、第一胃・第二胃・第三胃・第四胃、小腸・大腸、腸間膜・大網・腹膜、リンパ節、肝臓、脾臓などに腫瘍細胞が認められ、直腸検査においても明らかに触知しうるものがあると述べている。
 
 
これらの腫瘍は、しばしば消化管を圧迫し、狭窄・閉塞をおこし、あるいは炎症をおこし、時には下痢を発生させる。また胃腸の穿孔をおこしやすいこともあります。
 
 
動物は次第に削痩し、また腹膜炎を発し、あるいは腹腔内に増大し、ついには悪液質に陥り壊死する。他の消化器疾患との類症鑑別が必要です。
 
 
直腸検査、触診あるいはX線観察により推察しうることもありますが、生検、試験的開腹を行い、組織検査によりはじめて確実な診断が下せる。
 
 
手術により摘出しうることもありますが、悪性腫瘍の時は予後不良です。

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