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腹壁の疾患 ~ 挫創・胃瘻と腸瘻

腹壁の疾患 ~ 挫創・胃瘻と腸瘻 腹壁・臍・鼠径部・会陰・腹膜・大網および腸間膜の疾患

 
 

挫創(contusion)

 
 
腹壁に挫傷が生ずると、び慢性の皮下出血または皮下血腫が形成される。時には二次的に感染して膿瘍となる。また同時に腹筋が断裂して、腹壁ヘルニアを発生することが少なくない。
 
 
特に妊娠末期では注意が必要です。
 
 
挫傷の原因がかなり強大な場合には、そのはずみに腹部臓器が損傷し、内出血などをおこし、時には腹膜炎を継発し、最悪の時は、胃腸破裂をおこして急性経過をとる。
 
 
イ)治療法:内出血を制圧するため、圧迫包帯をほどこすこともある。血腫が存在すれば、その吸収をうながす。ヘルニア発生の疑いがある場合は、腹壁ヘルニアの治療法に準じて処置します。
 
 
その他挫傷の一般療法を行うが、腹腔内部の変状はつかみにくいので、経過の観察に留意しなければならない。時には試験的開腹術を行う。
 
 

胃瘻と腸瘻(gastric fistula and intestinal fistula)

 
 
胃および腸は、腹壁に向かって瘻孔を形成する場合がある。また腹腔内臓器との間に瘻孔を形成することがある。前者を外瘻external fistulaといい、後者を内瘻internal fistulaと呼ぶ。
 
 
内瘻はたとえば、牛の嚥下された異物によって肝臓、脾臓などとの間に形成される。
 
 
外瘻は次のようなときに形成されます。
 
 

(ⅰ)腹壁の透創の際に、胃または腸が損傷をうけた時、特に胃腸が腹壁に密接している時は外瘻を形成しやすい。
 
 
(ⅱ)嚥下された異物が腹壁にむけ穿孔した時。
 
 
(ⅲ)穿胃術、穿腸術、第一胃切開術、その他腹腔臓器の手術の際における過失。
 
 
(ⅳ)ヘルニア手術・去勢・陰睾去勢の後に発生する胃腸の損傷、腐蝕、壊死、胃腸壁に形成された膿瘍の自壊。

 
 
イ)症状:外瘻の場合には、瘻孔より排出される内容の性状によって、その損傷部位が判明する。内容がたえず排出されれば、瘻孔の周囲に皮膚炎が発生する。
 
 
多量の内容が排出されれば、脱水、栄養不良に陥る。しばしば局所に限局性の腹膜炎が存在する。胃腸の粘膜上皮が皮膚上皮に直接つながっている場合は、瘻孔は短く、自然に治癒閉鎖する傾向に乏しい。
 
 
これに対して瘻孔が比較的長く、胃腸粘膜と皮膚上皮との間に直接のつながりがなく、その間に肉芽組織が介在するものは、肉芽組織の増殖癒合によって、瘻孔が自然閉鎖することもあります。
 
 
自然発生例は瘻孔の周囲に著しい炎症を伴うことが多く、治癒しにくい。
 
 
ロ)治療法:新鮮で内容の排出の軽微なものは、時に保存的治療法(患部の清潔および消毒の励行)によって治癒することがあるが、多くは手術療法を必要とする。
 
 
すなわち、腹腔を開き、胃腸の癒着を剥離し、瘻孔を切除し、胃腸および腹壁の開口部を閉鎖する。この場合は組織の損傷および汚染が著しいことが多いから、そのような組織の切除につとめ、術後の排液は十分に行う必要があります。
 
 
腹壁の手術創:牛の第一胃切開、帝王切開、胃腸の手術、犬・猫の卵巣剔出術や子宮全剔手術などのため、開腹手術を行うことが多い。
 
 
この場合、無菌的処置につとめ、腹壁の第一期癒合に心掛け、化学療法を行う。

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