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口腔の疾患 ~ 舌の損傷および舌放線菌病・口蓋破裂・蝦蟇腫

口腔の疾患 ~ 舌の損傷および舌放線菌病・口蓋破裂・蝦蟇腫 口腔の疾患

 
 

舌の損傷および舌放線菌病(injuries and actinobacillosis of the tongue)

 
 
尖った飼料、棘のある植物、混入異物などから、各種の動物に舌のさまざまな程度の外傷が発しやすい。
 
 
また小動物では交通事故で、馬では勒の不適合による後引き裂創を生ずることがある。
 
 
牛はその食性および構造から特に刺創、切断創あるいは蛇咬創などが知られています。
 
 
症状:損傷の程度により、一般に出血、流涎、採食の異常ないし困難がみられる。犬の場合は肢でさかんに口の辺りをこすって、二次的に損傷を起こすこともあります。
 
 
軽度の場合は、次第に飲水採食に馴れてくる。牛の場合は、舌の損傷、横切断は一般に予後不良です。馬などでは全長の1/3以下の切断は耐過することができる。
 
 
また牛の舌隆起の前の横の凹みには、特に尖鋭物が刺入しやすく、地域によってはActinobacillus lignieresiの感染をみるが、馬などにはまれです。
 
 
舌の動きが不自由になり、食塊を口中にとどめ、または床上に散乱させ、泡沫性の流涎をたらし、重症になると口を開いて舌を下垂し、舌組織も硬固な”木舌”となる。
 
 
治療:軽症の舌損傷は、そのまま迅速に治癒軽快する。深い裂創の場合は縫合するか、切断術を行う。異物刺入などの場合は、十分に口内を洗滌して、原因物を除去し、局所、全身に抗生物質を投与し、軟飼料を給与する。
 
 
牛の場合は、特に採食状態を十分監視する。
 
 

口蓋破裂(cleft palate)

 
 
胎生期の顔面癒合の障害によって生ずる奇形の一つで、各種の動物にみられる。硬口蓋、軟口蓋あるいは両方にわたって、種々な程度のものがあり、同時に兎唇harelipを伴うものが多い。
 
 
軽度のものは、兎唇の症例の口腔内検査で発見するものもあるが、硬口蓋から軟口蓋に達する大きな裂開のものや、口腔から鼻腔に通ずる深い裂孔のあるものでは、生後、乳の吸引力が弱かったり、飼料飲水が鼻孔から逆流したり、誤嚥性肺炎、鼻炎などを発し、栄養不良などから死亡するものもある。
 
 
特に馬などの大動物では、生後1ヶ月以内に矯正手術をすることがのぞまれる。ただし、大動物は口蓋が長く軟口蓋に達するまでの距離が長いため、非常に困難な手術となる。
 
 
犬などでは口蓋にアプローチすることが比較的簡単で、裂開部を十分に分離して創縁切除を行い、臼歯部の歯肉の舌面の粘膜に減張切開をほどこして、縫合すると予後は良効です。
 
 
また軟口蓋の裂開も粘膜皮弁を作って縫合することができる。
 
 

蝦蟇腫(ranula)

 
 
唾液腺嚢腫の一タイプで、舌小帯のやや前側方の口腔底にある顎下腺(犬では大舌下腺も)の排泄管口の閉塞に起因して唾液が舌下部に貯留し、大きな嚢腫を生じたものです。
 
 
犬に多く、先天性の異常と考える人もある。腫脹が著しい時は咀嚼および嚥下困難を生じ、また口腔外に垂下することがある。治療の基本は嚢腫の完全な全摘出であり、不完全な手術や切開・排液のみを行った場合には再発しやすい。
 
 
馬の切歯の直後の硬口蓋静脈瘤lampasも俗に蝦蟇腫と呼ばれることがある。

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