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外用剤 ~ 外用剤は皮膚、外表粘膜、外表に近い粘膜に用いる。

外用剤 繁殖、皮膚・粘膜、運動器官

 
 
外用剤は皮膚、外表粘膜(眼粘膜)、外表に近い粘膜(口腔・生殖器粘膜など)に用いる。
 
 

皮膚の特色

皮膚は20層以上の角質細胞層から成り、血管が分布していない。

表皮の外側の数層はケラチンが沈着して角化している。従って強力なバリアであり、薬物の透過性は悪いが、脂質バリアでもあるから適切な有機溶媒に溶解された脂溶性物質は透過できる。

表皮は濡れた状態になると水分含有量が多くなって軟化し、薬物の透過性がよくなる。

 
 

外用剤の使用目的

 
 
外用剤は局所の疾病の治療に用いる。
 
 
変った外用剤として経皮・経粘膜吸収による全身作用を期待して皮膚に塗布したり、鼻腔粘膜に噴霧したり、または口腔粘膜に適用する製剤もある。
 
 

皮膚病の治療

①皮膚の細菌・真菌感染の治療、②皮膚外傷や感染性炎症の治療、③皮膚の非感染性炎症の治療に外用剤を局所適用する。

 

運動器障害の治療

筋、腱、関節の非感染性炎症に対しては薬物の局所適用療法が汎用されます。

 
 

投与剤形

 
 
皮膚に薬物を適用するための製剤は①患部を外界から守る保護薬(demulcent)としての性格、②有効成分の表皮透過を助ける皮膚軟化薬(emollient)、③患部からの滲出液を吸収する吸湿薬としての性格を合わせ持つことが望まれる。
 
 
皮膚に適用する外用剤の剤形は軟膏、液剤、粉剤、貼付け剤に大別されます。
 
 

軟膏(ointments)

 
 
軟膏は油性または水性の半固体基剤(base)に有効成分を混合し、皮膚に塗込む製剤です。
 
 

親水性基剤

水溶性のマクロゴール(macrogol,polyethyleneglycol,PEG)が汎用される。この物質は重合度によって番号が付けられており、1000以下が液体であり、それ以上が個体です。

通常、室温では軟固体で35℃では液体になるように液体と固体を配合する。

この物質を基剤として用いると①水分の出入が自由で、②皮膚の薬物透過性はかなり高まり、③洗浄が容易です。

 

乳性基剤

油脂と水を乳化剤によって乳化させた基剤で、水中油滴形(バニシングクリーム形)と油中水滴形(コールドクリーム形)がある。

 

油性基剤

パラフィンやラノリンなどの油脂性物質を基剤として用いることもある。

 
 

液剤(liquids)

 
 
液剤は皮膚への塗布・湿布・噴霧・薬浴・洗浄などの用法に用いるが、粘膜への注入剤・浣腸剤なども外用液剤に分類している。
 
 
溶剤としては水(水溶剤)、エタノール(チンキ剤)、グリセリン、プロピレングリコール、植物油などが用いられる。
 
 

粉剤(powders)

 
 
不溶性の粉末を基剤とした製剤。
 
 
基剤にはタルク、澱粉などを用いる。
 
 
皮膚乾燥効果があるが、開創口には用いない。
 
 

眼科外用剤

角膜や結膜に適用する薬剤は水溶剤か軟膏です。角膜は軽度の炎症でも重大な損傷になるから適用製剤の刺激性は最小限であることが強く要求される。

さらに水溶剤については②浸透圧が等張に近いこと、③pHが5.0~8.5以内であること(涙のpHは8.2)、④滅菌されていることなどが要求される。

 
 

外用剤に用いる薬物

 
 

収斂薬(astringents)

細胞膜の蛋白を変性させてその透過性を減少させる薬物を収斂薬といいます。皮膚や粘膜に適用すると保護作用を示す。ビスマスや亜鉛のような陽イオンやタンニン酸などの陰イオンは皮膚や粘膜の細胞膜蛋白と結合して不溶性蛋白に変えるので、水溶剤が収斂薬として用いられます。

 

亜鉛華

酸化亜鉛の微細粉末で、皮膚に対して①弱い収斂作用と②弱い抗菌性を示す。軟膏に混ぜると比重が大きくなって皮膚粘着性がよくなる。

副作用がなく、嘗めても毒性発現の可能性がないので汎用される。

 

角質溶解薬(keratolytics)

サルチル酸のチンキ剤は細胞膜の蛋白を可溶化するので角化亢進した皮膚局所(疣など)の治療に用いる。牛の乳嘴種(ウイルス性良性腫瘍)の治療には軟膏として用いる。

 

副腎皮質ホルモン

糖質コルチコイドは各種の皮膚病に強い治療効果を示す。

局所適用では全身性の副作用が発現しにくいので長期の連用が可能です。犬猫の外耳炎は難治性皮膚病であり、フルオロシノロンアセトニドのような強力な皮質ホルモン剤が軟膏として用いられる。

 

採毛薬

制癌薬のシクロフォスファミド(cyclophosphamide)の50mg錠剤を綿羊に経口投与すると約1日の間は被毛の発育が停止し、その後に新しい被毛が発育し始める。

採毛期に投与すると2~3日後には新しい産毛が生え、古い被毛が浮きあがるので、手で採取できる。

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