揮発性の液体で比重1.86、沸点50.2℃、不燃性で酸素混合気にも爆発性はない。
通常の麻酔器には4%までの気化器が付属していますが、豚の麻酔には6~8%の気化器が必要です。
中枢神経系に対する作用
麻酔力はエーテルの5倍程度で導入速度が速い。
鎮痛作用や筋弛緩作用は弱く、麻酔回復期における鎮痛は期待できない。
呼吸循環器系に対する作用
エーテルより強い抑制作用を示し、麻酔深度が深くなると強い。心拍出量は約50%減少し、血圧が約35%低下する。
導入時に不整脈が起こることがあるがアトロピンで防止できる。
単独麻酔で心室細動を起こすことは稀ですが、エピネフリンを使用すると容易に心室細動が発症する。
どの動物種に対しても呼吸を抑制し、動物はアシドーシスになる。
肝に対する作用
ハロタン麻酔時に認められる血中炭酸過剰には肝代謝の抑制も一因になっている。
馬ではハロタン麻酔を反復していると肝障害を発症することがある。
ハロタンの肝毒性は体内代謝によって生じたハロゲンによると言われている。
ヒトにまれに起こる致死的な肝壊死(恐らく過敏症反応)は家畜では発症していない。
筋肉に対する作用
豚では一部の個体の導入期に筋硬直と発熱が認められることがある。
この反応を起こした豚の多くに反応後の血液中に高濃度のクレアチンホスホキナーゼが検出される。
この反応を起こす豚には遺伝的背景があり、特異体質として分類される。
帝王切開に用いた場合、麻酔深度が深くなければ胎子の呼吸開始を抑制することはない。
医学領域で長年にわたって最も汎用されてきた麻酔薬ですが、手術室で働く人達の悪性疾病発生率、自殺率、流産率が他の人達の倍以上であるとの報告がある。
麻酔薬としての評価
強力な麻酔薬であり、多くの動物種の麻酔に有用です。
特に馬では麻酔回復期の外傷事故の発生率が低い。
犬猫の麻酔には麻酔力が強すぎて制御が困難であるから単独使用は適切でない。回復期嘔吐の可能性は低い。
ハロタンは麻酔器のゴムに高濃度に吸収され、また一部がソーダライムによって分解される。

