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局所麻酔薬(local anesthetics) ~ 局所適用によって適用部位周辺の神経組織を麻痺させる目的に用いる

プロカイン 局所麻酔薬

 
 
局所麻酔薬を体表粘膜や体内の一部に局所適用すると、周囲の神経組織に作用してその部位の神経興奮伝達を抑制する。
 
 
血管とか筋などへの作用は神経組織に対するより弱い
 
 
局所麻酔薬はこのような性格の為に局所適用によって適用部位周辺の神経組織を麻痺させる目的に用いる。
 
 

局所麻酔薬の共通的性格

 
 
局所麻酔薬のうち、実際に汎用されるプロカインとリドカインについて‥
 
 

化学的性格

 
 
一般に疎水性の芳香環と親水性のアミンとがエステル結合かアミド結合によって結合した型の化合物であり、アミンは三級(時に二級)です。
 
 
いずれの化合物もpKaが8~9の弱塩基性物質です。(ベンゾカインのpKaは3.5)
 
 
局所麻酔薬は0.1~2.0%の濃度の水溶液で用いられますが、いずれの化合物も水溶性が低いので塩酸塩の水溶液を用いる。
 
 
コカイン以外の薬物は塩酸塩水溶液を煮沸滅菌することができる。
 
 

局所麻酔作用

 
 
薬用量の局所麻酔薬は適用した局所付近の末梢神経を特異的に麻酔し、数十分から数時間持続し、作用消失後にはなんらの損傷も残さない。
 
 
局所作用によって末梢ニューロンの細胞体、軸索、軸索末端のいずれも麻酔できますが、軸索の興奮伝達を麻痺させる作用が最も特異的です。
 
 

神経の感受性

 
 
通常の神経、例えば坐骨神経のような混合神経に局所麻酔を適用すると、径の細い軸索から順次麻酔される。
 
 
このことは混合神経を刺激して末梢端で活動電位を記録し、その間の小部分に局所麻酔薬を適用すると伝導速度の遅い細い神経の活動電位から順次消失してゆくことで解る。
 
 
知覚神経と運動神経は同程度の径分布を持っている。幸いなことに痛覚を伝達する神経は比較的細い(AδとC)であるから、痛覚は早期に消失する。
 
 
しかし、時間の経過とともにすべての神経が麻酔されてきます。したがって、臨床的に神経幹を麻酔する方法(伝達麻酔法)を用いた場合にはその神経が支配する運動系の麻痺は避けられない。
 
 
局所麻酔薬を皮下に適用すると、痛覚、冷覚、温覚、触覚、深部感覚の順に感覚が失われる。
 
 

神経の活動度と感受性

 
 
局所麻酔薬に対する神経線維の感受性を決定するもう一つの要因は、その線維がどの程度活動しているかです。局麻薬は活発に活動している線維に対しての作用が強く、静止している線維に対しての作用は弱い。
 
 
この現象は臨床的にも意義が深い。
 
 

血管収縮薬との併用

 
 
局所麻酔薬にエピネフリンを配合して用いると吸収が遅くなるために、①作用時間が延長し、②副作用の発現頻度が低くなる
 
 
しかし局所組織が貧血状態になることはその組織に有害な影響を及ぼす可能性もあり、壊死などの実例もある
 
 
このため、局麻薬市販製剤ではエピネフリンを配合した製剤が殆どなく、臨床現場では必要に応じて局麻製剤とエピネフリン注射剤(1,000倍)を9:1に混合して用いる。
 
 
筋肉血管のアドレナリン受容体はβ₂が主体であり、その興奮によって血管が拡張するので、エピネフリン添加局麻液を筋肉内に注入するのは危険です。
 
 

吸収作用

 
 
局所麻酔薬は吸収されると中枢神経と心に対して強い作用を現す。
 
 
幸いに現在使用されている局麻薬は吸収後の体内消失速度が速いので、通常の用法では副作用発現の可能性は低い。

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