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サルファ剤(sulfa drugs, sulfonamides) ~ サルファ剤の抗菌スペクトルは広く、リケッチア、全ての細菌、原虫に及ぶ

サルファ剤(sulfa drugs, sulfonamides) 合成抗菌薬

 
 
サルファ剤は古くから用いられてきた科学療法薬ですが、人体用としてはあまり用いられなくなり、動物での使用が主体になっています。
 
 
これは、サルファ剤が広範囲な抗菌スペクトルを持つため、病原菌の特定の困難なことの多い動物疾病での予防治療には有用性が高い、サルファ剤は多くの原虫性疾患に有効であり、動物では原虫症の発生が多い、安価であるなどの理由です。
 
 

サルファ剤の抗菌作用

 
 
サルファ剤の抗菌スペクトルは広く、リケッチア、全ての細菌、原虫に及んでいる。しかしどの分類項目にもサルファ剤が無効である細菌が散在します。
 
 
サルファ剤の個々の薬物による抗菌スペクトルの差は小さい。専ら静菌的に作用します。
 
 

作用機序

 
 
多くの細菌腫ではp-アミノ安息香酸(PABA)を菌体外から取込み、または自ら合成してさらに葉酸を合成する。この葉酸はヌクレオチド合成のメチル供与体として利用される。
 
 
サルファ剤はPABAと競合して葉酸合成酵素を阻害します。高等動物に毒性が低いのは高等動物では葉酸をビタミンとして体外から取込むからだと説明されている。
 
 
また、微生物でも葉酸要求菌種には無効です。
 
 

宿主の防衛機構

 
 
サルファ剤は細菌の分裂を抑制するだけであるから、体内の細菌が宿主の食菌現象によって除去されてゆくことが科学療法成立の条件となる。
 
 
このことは静菌作用で働く科学療法薬での共通条件です。
 
 

耐性菌

 
 
中程度の耐性菌発現が認められます。
 
 
生じた耐性菌はすべてのサルファ剤に対して交叉耐性を示す。耐性菌では葉酸の合成が可能となったり、また合成能が上昇したりしている。
 
 

体内動態

 
 

●吸収

 
 
サルファ剤は水溶性のNa塩を注射で用いるか、遊離型やNa塩を経口投与で用いる。いずれの場合でも吸収は速い。経口投与後の吸収半減期(ta₁/₂)は豚で0.7時間、牛で数時間です。
 
 

●分布

 
 
吸収されたサルファ剤は血清蛋白と結合する。この結合率は持続性の高いサルファ剤ほど高く、ジメトキシンでは90%になる。
 
 
組織への分布性は良く、組織中濃度は血中濃度に近くなるし、組織からの消失も血中濃度と平行する。
 
 
注射投与後の小腸・大腸腔内濃度は血漿中遊離型濃度にほぼ等しくなる。
 
 

●代謝

 
 
アセチル化が体内代謝の主な経路です。現在用いられているサルファ剤ではアセチル化によっても水溶性が落ちないか、逆に高くなる。
 
 
犬はアセチル化能を欠く
 
 

●排泄

 
 
主として腎から排泄されるが、尿が酸性であるほど排泄が遅い。
 
 
サルファ剤の体内持続性は主として腎からの排泄速度で決まる。
 
 

副作用

 
 
対象動物への副作用としては血液毒性が多く、貧血、白血球減少、血尿などの報告がある。
 
 

臨床応用

 
 
サルファ剤は単味剤での使用が減少し、主として葉酸拮抗薬との配合剤が用いられるようになっています。いずれも静菌的に作用するので、血中濃度の維持が特に必要です。
 
 
豚、鶏では経口投与剤形が主として用いられ、牛や犬猫では注射剤が主として用いられます。

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