オウム・インコ類の病気

オウム・インコ類の病気
オウム・インコ類の病気

オウム・インコ類のヘルペスウイルス病



ヘルペスウイルス感染によって起こる致死的(50~90%)な急性感染症です。集団発生し、下痢、食欲不振を示した後、眼漏・鼻汁と呼吸困難を主徴として急性経過で突然死亡します。


部検では肝・脾臓の腫大、淡色化、小壊死巣がみられます。組織学的には肝・脾臓の壊死と肝細胞ないし細網細胞に好酸性の核内封入体が認められます。


メキシコインコ類は不顕性感染鳥が多く感染源になります。疫学的・病理学的所見およびウイルス分離により診断。


対策としては、新導入鳥の検疫、不活化ワクチン・アスコルビルの筋注があります。オウム・インコ類は呼吸器に病変を起こす異なる血清型のヘルペスウイルスにも感染します。


鳩、鷹、フクロウ、ツル、コウノトリおよびウには免疫学的にそれぞれ異なるヘルペスウイルスの感染によって起こる致死的(50~90%)な急性感染症があります。


フレンチモルト



日本の俗称コロといい、パボバウイルス感染によって起こる小型インコ類の疾病で、翼羽の障害で致死率5~30%を示します。幼雛(初生から6週齢)では飛翔翼羽や尾翼羽の脱落・欠如や羽毛の奇形、発育不全がみられます。


若鳥ではソノウうっ滞や出血などで死亡率が高く、部検では肝・腎臓の腫大と退色、組織学的には羽根部・羽包・羽髄の細胞浸潤と出血、上皮細胞の空胞変性と核内封入体が観察されます。


病理学的所見およびウイルス分離による診断をします。ワクチンはないので、衛生管理に留意する必要があります。

禽痘



ポックスウイルス感染によって起こる各鳥種の痘疹、オウム、インコ類は角結膜炎から盲目がみられ、致死率は低いがブドウ球菌や大腸菌との混合感染で病勢は悪化します。


カナリアや他のフィンチ類は致死率は高く、顔、嘴、眼瞼、足などに発痘し、流涙や結膜の浮腫と充血、眼瞼腫張、結膜炎がみられる。疫学的、病理学的所見およびウイルス分離により診断し、オウム・インコ類とカナリアは不活化と生ワクチンがあります。


予防対策については、衛生管理と蚊の駆除です。

ニューカッスル病



ニューカッスル病ウイルス感染による鶏の急性、致死性の感染症ですが、オウム目やスズメ目、ガンカモ目などの鳥類にも同様に集団発生します。


致死率は鳥種により異なりますが、有冠毛オウム類やボウシインコ類などは高感受性ですが、セキセイインコやフィンチ類は感受性が低い。


大型のオウム・インコ類は呼吸器症状を主徴とする急性型と、神経症状を示す慢性型があります。またフィンチ類では突然死します。


部検では各臓器の点状・充出血や出血性および壊死性の胃腸炎がみられ組織学的には壊死性変化と非化膿性脳炎像が特徴。診断は疫学的・病理学的所見およびウイルス分離により行う。


鶏用生ワクチンは有効で、新導入鳥の隔離・検疫と発病鳥の殺処分を行う必要があります。

オウム・インコ類のサーコウイルス病



サーコウイルスによる感染病で、オウム目の各種鳥種に感受性がある。羽や嘴などの壊死病巣から脱毛を起こす。幼鳥の急性例は立毛および食欲不振や汎血球減少症を示します。


羽毛病変は低率で死亡率が高く、ファブリキウス嚢に組織病変が認められます。慢性例は体羽や主・副翼羽の発育異常や羽根の損失、下毛および外毛の羽毛の活力不足、鋼直や収縮などの異常な形状を示します。


嘴の伸長と破壊、口蓋の壊死と潰瘍もあり、羽根や嘴および爪は多様な壊死病巣で、組織学的には過角化症で、羽根、嘴およびファブリキウス嚢の壊死細胞中に好塩基性核内封入体が検出されます。


ワクチンはないので、病鳥の隔離と二次感染に対する補助的療法を行います。

サルモネラ症



サルモネラ感染による急性と慢性の感染症で、致死率30~50%、家禽を除く各種鳥類からは51種の血清型、愛玩鳥からは10種の血清型が分離され、S.Typhimuriumが多い。卸売場、繁殖場、小鳥店、動物園などで集団発生します。


緑白色下痢、元気消失、肝・脾臓の腫大と壊死性結節、心外膜炎などがみられます。診断は死亡鳥の臓器や病鳥の糞便からサルモネラの分離・同定。治療には抗菌スペクトルの広い抗生物質を用います。


また野鳥、ドブネズミの防除、飼料・飲み水の汚染防止などの衛生管理を徹底します。

グラム陰性腸内細菌感染症



大腸菌、シュードモナス、プロテウス、エルシニアなどの腸内細菌の感染によって多彩な病象を起こす感染症です。穀食性や果実性などの鳥種は常在腸内細菌がなく、環境不良、輸送、密飼いなどのストレスにより感染し集団発生します。


下痢や胃腸炎などのあと敗血症による急性経過で死亡する。腸炎、肺炎、気嚢炎、肝炎などがみられ、死亡鳥の臓器や病鳥の糞便から菌の分離・同定を行い確実な診断をする。


衛生管理、抗菌スペクトルの広い抗生物質の応用、野鳥やネズミなどの対策を行う必要があります。

アスペルギルス症



アスペルギルス感染によって大型オウム・インコ類に発生します。臨床的には開口呼吸、呼吸困難、元気・食欲不振、嘔吐、体重減少や運動失調を示します。気嚢や肺などに大豆大から鶏卵大の黄色チーズ様滲出物がみられ、白血球数は増加します。


病巣部の直接鏡検により菌を検出し、サブローブドウ糖寒天倍地で分離・同定を行います。アムホテリシンBと二次感染防止のために抗生物質を投与するとともに衛生管理に留意します。

カンジダ症



カンジダ感染によって小型オウム・インコ類の幼若鳥に発生します。長期抗生物質の投与、高炭水化物の給餌、ビタミン不足などが誘因となります。大型オウム・インコ類にも散発し、元気・食欲不振・ソノウうっ滞・肥厚・体重減少などがみられます。


消化器上部、特に舌、咽頭、ソノウの粘膜に灰白色の凝固ないし乳状のものが付着し、壊死性偽膜性潰瘍が特徴です。壊死性病変部の組織学的所見とサブローブドウ糖寒天倍地での菌の分離・同定により診断します。


マイコスタチンやナイスタチン投与が効果的です。

ジアルジア症



ジアルジア感染によって小型のインコ類やカナリアなどに集団発生し、致死率20~50%です。泡状黄褐白色の慢性下痢、体重減少などを示します。腸炎、腸管結膜の潰瘍がみられ生理食塩水に新鮮糞便を浮遊させた標本中にトロホゾイドを確認します。


病鳥の隔離、ケージの洗浄、消毒などの衛生管理、ジメトリダゾールを飲み水投与などの対策を講じる。

まとめ



やはり生き物を飼育する上で大切なのは衛生管理を徹底することが病気予防に繋がるのではないでしょうか?


鳥などの生き物は病気になって具合が悪くても具合が悪い素振りをあまり見せません。日頃、食事の食べ具合や糞便の状態を良く観察することが大事だと思うのです。


定期的にケージの掃除と消毒、ストレス対策として密飼いをしないなど当たり前ですね。

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