シマハッカン Siamese fireback pheasant

シマハッカン
シマハッカン

シマハッカンの特徴


印度支那南部の森林にいる此のシマハッカンは強くて、大きく、又美しい立派な鳥で、恐らくは最も美しい雉の1つに数え得るでありましょう。


雄は7cmから9cmにも及ぶ黒紫色の羽冠が頭上から肩の上端にかかっており、眼のまわりの裸出部は他鳥のそれより一段と大きく、春になってディスプレイの際は赤色部が大きく面積を広げ、顔の外迄出て美事です。


腰部は黄色の腰羽、美しい深紅と青の縁どり、それに全身は心地よい灰色で、尾は逆に下向きに曲がっています。脚は赤色です。


雌の方は此れ亦、凡ての雉の雌の中で、一番美しいと言えるでしょう。


大体雉類の雌は野外で何十日か抱卵して、雛を孵さねばならない重要使命がある為だろうと思いますが、一般に枯葉色と枯葉に似た斑紋があり、抱卵中外界との調和宜しく目立たない様になっておりますが、此のシマハッカンの雌も例外ではないにせよ、尚非常に美しいです。


全身は心地良い橙褐色で、後半身は黒と白のまだらになり、脚は雄と同様に赤色です。


雌にも5cm程の羽冠があるのですが、雄に追いかけられ、又金網に引っかかり切れる為でしょうか、普通には雌の羽冠は見られないのですが、かつて雌雄を1羽分離して広い処で飼っておりました処、立派な羽冠を付けて来たのを見たことがあります。


シマハッカンは日本では稀種になっております。


此の立派な鳥はもっと繁殖によって増加して、絶滅せぬように努力しなければなりません。

シマハッカンの繁殖



此の鳥は飼いやすく、又繁殖も中程度の容易さがあります。


繁殖期になっても、そう飼い主に攻撃を加える事はありません。又雄は雌を相当攻撃しますが、雌雄同居で飼う事が出来ます。唯熱帯の鳥ですから、冬期は覆いが必要で、且つ出来れば保温すれば一層健康に育てる事が出来ます。


又此の鳥は長期に亘って産卵し、飼っておりますシマハッカンは本年8才ですが、尚産卵し、雛も6羽孵化しました。


初卵は生後第3年目からですが、第2年目から産卵する事もあるでしょう。


産卵は普通の雉類より遅く、5月に始まり7月中旬迄し、隔日に1個ずつします。


産卵は夕暮れです。卵は白色で、円形に近く、何れが鈍端かが区別が難しいものです。


卵の長短径4.4cm x 4cm 重量41.5g 卵は24~25日で孵化しますが、死篭り卵や足指の曲がったものが出易いのですが、筆者のものは健康で欠点のないものも沢山とれる様になりました。


孵化直後の雛は脚が既に薄赤色で、頭だけ茶色を帯びたクリーム色ですが、全身はこげ茶で羽に美しいバフ色の斑点が有って美しいです。尾長雉の雛より大きいです。


雌雄の判別は生後1ヶ月を過ぎる頃から判明致します。雌の方はあかるい茶色の羽毛が全身に目立ちますが、雄の方は全体が黒味がかり、細い白条のある黒色の羽が見えて来ます。


孵卵器の条件は、立体孵卵器ならば、湿度65~68%、温度は37.5℃です。


平面孵卵器は湿度は調節出来ませんが、鶏卵用のものは湿度を65%位に保つようになっている筈です。温度は39.4℃です。


産卵は隔日に1個ですが、中で1週間程休む事があります。此れは多分休止期間毎に1クラッチになっていると思います。又鶏と同様、少し病気をすると産卵を休止しますが、病気回復と共に産卵は再開されます。


シマハッカンの卵は殻に穴を空けたまま、雛が外に出られない事があります。


そんな時は孵卵器から卵を一時取り出してピンセットで殻を注意深く破って、雛を人工で取り出し、再び孵卵器の中に入れてやると助けることが出来ますが、このような場合は足指が曲がっている事が多いのです。


足指曲がりの矯正は難しいでしょうが、孔雀とか、今のシマハッカンの雛の様な大きい雛では、生後24時間位で曲がった指に針金を添えてビニールテープで巻きつけて伸ばしておけば治ります。


足指曲がりの原因は色々あるでしょうが、未だはっきりした原因は解っていません。


まず、近親繁殖から次に親鳥への不完全飼料(主としてビタミンB2の不足)、更に孵卵器の温度と湿度の不全から即ち、温度が高すぎ、温度が不足だと起こる事が考えられます。


人工破卵で取り出した雛は欠点があり、又弱くて育たない事が多いのですが、数が少ない貴重な鳥では、人工破卵を努力して雛を救済しないといけません。

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