キーウィ Kiwis(Apterygidae)

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キーウィ
キーウィ

キーウィの生態



キーウィは今ニュージーランドを訪ねても、中々見る事はできません。


此の国の特産なのですが、数が減ってきたばかりでなく、平素は臆病で陰湿を喜ぶため深い又、沼沢の多い森の中におり、昼間は穴居生活で外へ出ませんので発見できません。


キウイは歌はありませんが、全然、声を出さない訳でなく、土人のマオリ族がキーウィという名を与えたように、夜間ふるえる口笛のような鳴き声を出します。


キウイには3種あり、尚、化石で2種が知られています。約700年前に栄えたが、200年程前迄生存が伝えられた怪鳥モアに此の鳥は近縁の様ですが、確かではありません。


モアにも何種類かあり、大はダチョウより大きいのですが、又、七面鳥位の物もあり、此等は翼が無くて、空を飛べない事はキウイと同じです。モアが絶滅したのは当時のマオリ族が食用に供したことに原因があったかも知れませんが、キウイの数が減った理由は、ニュージーランドの森が文明の開けた事、テン、イタチ、犬、猫等の横行にある様です。


キウイは北島、南島、離れ島であるスチュアート島に生存していますが、胴体、長い嘴、太い脚だけで構成されていて、鳥の特徴である翼、尾、及び完全な羽がありません。


又、そ嚢がありません。竜骨突起もありません。


翼は胴体の両側に5cm位の長さの痕跡として残っており、此の下に毛の生えてない裸出部があり、寝るときは嘴を後方に曲げて、此の中に入れます。羽枝がないために、毛は全身に哺乳類の毛の様に生え重なっております。


つまり、雛の綿毛が其の儘生長して、剛毛になった様なものです。此の毛の為に翼の痕跡は外から見えません。他鳥と異なり、鼻孔は長い嘴の先端に開いています。此れによって、嗅覚は他鳥より鋭く、餌は主として嗅いで探し出し、眼の視力の不足を補っている様です。


又嘴の基部の両側には細いが、丈夫なヒゲがあり、此れも視力の不足を補って危険を早く知るためでありましょう。又、強くて丈夫な丸い短い脚は、離れすぎて付いている為に、走るときの格好が面白く人形が動く様です。


キウイは樹の根の穴の中に隠れて活動せず、日没後の薄明かりを利用して、穴の中から出て餌あさりに活動します。


そうして夜を徹して餌あさりをします。此れが為に眼が小さくて、視力は弱いのですが、嗅覚が他の鳥類より遥かに発達していて、餌は主として嗅覚を頼りに探します。

キーウィの飼育



キウイの飼育法は此等の事を念頭において考えられる可きです。


キウイは原産地では沼沢の多い森の中にいるのですから、飼育場には巨木を植え、且つ下草として葉の大きい又、平たい木を植え込み、全体に葉がけを多くします。


又浅い池を作ります。巨木の根元に穴を掘り、この中をキウイの昼の寝床とします。動物園の様な入園者に観覧させる為には、夜に昼色光の電燈で飼育場を昼の明るさに照らします。此の間はキウイは穴の中で休みます。


観覧の時間になりました際、飼育場は照明を月光の明るさ(青色の螢光灯48ワット)にします。此の明るさになると、キウイは眼を覚まし外に出て活動します。


此の光景をガラス越しに、暗黒の部屋から観覧者に見てもらいます。


昼光はサンディエゴ動物園では1130ワット冷光を使っています。電燈の熱で飼育場の温度が昇る様な状態では良くありません。


餌は1日2回、朝夕にやると宜しいが、肉の細切り片、パン、ミルワーム、ミミズ、昆虫、野菜としては、キャベツ、干しブドウ、イチゴ、などを食べます。


キウイはふ袋を持ちませんから、肉とか虫は、細長いものは食べるに困ります。病気を予防するためにテラマイシン、オーレオマイシンを飼料に混ぜる事が望ましいです。


餌の与え方は、ミミズは柔らかい土の中に埋めておけば、夜中に長い嘴でつつき出して食べます。然し、人間が調整した餌は浅い皿に入れて、地上に置けば良いのです。最初は中々臆病ですが、禽舎内で飼われる事には直ぐ慣れて、割り合い落ち着いて来る様です。


然し、テリトリーのやかましい鳥で、1つがいで飼っている処へ、後でもう1羽を同居させる事は殆ど不可能で、新参者は古参の者に殺されます。


キウイが嗅覚によって餌あさりをするという証明にサンデェゴ動物園では次のような実験をしてみました。


即ち浅い皿に食べ物を入れて、ナイロンの布で蓋をして、土中に埋めて上へ砂をかぶせ、又別に食物を入れないで、浅い皿に蓋をして、同じ様に土中に埋めておきましたが、朝調べてみますと食物の入った方は、ナイロンの布は穴が数カ所あき、食物が食べられたのですが、食物が入れられていない方は全然変化せず、鳥が触れていない事がわかりました。


此れで嗅覚のみで、キウイは餌を探知することがわかります。キウイは地面の穴に巣を作りますが、巣造りと抱卵は雄が行い、孵化には75日~80日を要します。


卵は1個で、希に2個、3個産むことがあり、重量はキウイの全体重の約4分の1あり、白色で長さは12cm程ある巨大なものです。

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